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#24 ページ24

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風磨「どうぞ」





風磨くんが助手席側のドアを開けてくれて、
緊張しながら座る。


何気に風磨くんの車に乗るのは初めてだ。









「どこ行くんですか?」


風磨「内緒」









どんだけ聞いても「教えなーい」って流されて、
車に乗ってどれくらいが経っただろうか。

気付けば外の景色は木や緑に囲まれていた。









風磨「着いたよ」


「えっ、ここ…」









薄着じゃまだ肌寒い3月末だというのに、
着いたところは海。








「もしかして入るんですか…?」


風磨「馬鹿なの?」









少し引き気味に聞いた言葉に真顔で聞かれたかと思えば、





風磨「ま、行ってみれば分かる」







そう言って車を出た風磨くん。
私の方に回ってくると、ドアを開けて手を差し出してくれた。

その手を握って車を出ると、
握られた手を離すことなく海の方へ向かう。






コンクリートになっている階段の1番上から
海を見下ろすと、穏やかに流れている海に
照らしている太陽の光が綺麗で。





「きれい…」


風磨「だろ?」





得意げな風磨くんは階段を1段降りて腰を下ろした。

私も同様に、隣に腰を下ろすと
少し照れ臭そうに笑った風磨くんと目が合う。







風磨「よく夏になったらここに友達や後輩連れてくるんだけどさ、行き詰まりそうになった時も1人で来るんだよ」


「……そう、なんですね……」








そんな大切な場所に、私を連れてきてくれたんだ。

嬉しい。






風磨「俺の好きな場所のひとつなんだよ」








『好き』


その言葉が少し強く耳に残った。









このまま海を眺めておくのもいいけど、
近くに水族館もあるからそこに行こうよ、と

風磨くんに手を引かれたまま歩く。








「…あの、手…大丈夫ですか?」


風磨「ん?あー、ここら辺人少ないから大丈夫」









…というより、付き合ってもないのに
どうして手を繋いでるんだろう。

私も嫌って思わないって言うか…。


大きくてゴツゴツしてるあたたかい手が心地いい。








少し歩いて着いた場所は
さっき言っていた水族館。

『ちょっと入場券買ってくる』
そう言って彼の手が離れた。







一瞬で冷めてしまった手の温もりが、妙に寂しく感じる。






『入場券ぐらい私が払います』
そう言えば、眉を下げて笑った風磨くんが

『今日は俺の前で財布出すの禁止』
そう言って無理矢理私の鞄に財布を戻した。


…カッコイイなぁ。









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梦苺(プロフ) - MAYUKOさん» こんにちは!ありがとうございます。とてもモチベーションに繋がります(^^)亀更新ではありますが、是非最後まで見てやってくださいー! (2019年4月6日 16時) (レス) id: e5f409bb48 (このIDを非表示/違反報告)
MAYUKO(プロフ) - こんにちは。とても面白いです。更新楽しみにしています! (2019年3月31日 14時) (レス) id: c9e054e139 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:梦苺 | 作成日時:2018年11月6日 3時

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