月下美人 (ページ33)

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「その瞬間を捕らえるのが上手いねレイは」

「自分で言うのもあれですが、写真のセンスはそこそこあると思ってるので。例えば…これとか」

「うわーお」

スクロールした先には、僕達のマネージャーが大きな
船を漕いでいるであろう、絶妙な一コマが。

「しかもソウヒョン金髪だ」

「もう5.6年前の写真ですからね。
他のも見てみますか？」

随分と楽しそうにするものだから、
そのまま思い出巡りに付き合うことにしようか。

制服のレイとか、旅行の時のものとか、
沢山詰まっているフォルダを見ていくうちに、
ふとある考えが頭をよぎった。

それを口に出していいものか迷っていると、
レイは一瞬表情を曇らせながら画面を閉じた。

「こうしてみると、バレバレですよね」

「大切な思い出は、中々消せないものだよ」

ソウヒョン以外に、よく出てきた登場人物が2人いた。

ソウヒョンによく似た女の人と、何処かレイと似た雰囲気を持つ男の人。

その男の人の写真があまりにも素敵だから、
レイがレンズ越しにどんな感情でシャッターを切っていたかが、意図せずとも分かってしまった。