天てれ小説！

君が笑うと、何も言えない【瀧澤×茉日】 ページ33

｢たっきー？膝擦りむいてんじゃん!!｣

｢これくらい大丈夫だよ〜！｣



たっきーは小学校の時からいつも笑顔。

羨ましいなあ…なんて思ったり。


たっきーとは中学校も一緒で同じダンス部。


…笑顔も変わらない。




｢たっきー！？ねぇ、なんで…!!｣

｢せんぱ、い…ッ…だい、じょぶ……です…｣

｢嘘吐かないで…!!｣



突然前から来た自転車。

気付かなかった私突き飛ばしたたっきー。


でも、たっきーが…。



｢だ、じょぶ…です…、ぅ…ゲホッゲホッ、ゲホッ…｣

｢きゅ、救急車…呼ばなきゃ…｣



たっきーは自転車に撥ねられたのに笑おうとしている。

何も言えなくなった。

救急車が来るまで、たっきーは笑おうとしていた。


何故…?



*



｢少し頭を打ったようですが命に別状は無いでしょう。

ただ…右足を骨折しています。

全治2ヶ月程でしょう。｣


お医者さんの言葉も頭に入ってこない。



｢うちの翼がごめんなさいね…｣

｢いえ…｣



御両親に合わせる顔がない。


部活も…ちょっと行きたくない。

行くしかない…けど。



｢翼！？｣

｢松葉杖、どうしたの?｣

｢ちょっと骨折しちゃって…｣



自分が怪我させた気分。

なんでたっきーは私を庇うの?



｢たっきー、ごめん…｣


｢え?なんで謝るんですか?｣


｢私の事、庇って怪我したから…｣


｢僕の不注意ですから！それに…

僕は先輩達に元気でいてもらいたいんです。

特に茉日先輩は…小学校の頃から優しくて、

仲良くしてくれたので…｣


｢たっきーはいつも笑ってて、何しても…

笑ってて…、心配になる…｣



他にも人がいるのに…

泣いちゃダメ…



｢僕が笑ってれば皆も笑顔になる、

そう思ってたんです。…って先輩!?

なんで泣いてるんですか!?｣


｢たっきー、もっと頼ってよ…

泣いていいんだよ?

無理して笑わなくて…いいのに…｣





これからも、たっきーの笑顔を見たいから。



隠し続けて壊れないで…?

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