誘拐されまして 50 ページ16
Aside
あれ…いつの間にか寝てたみたい
起きたら自分のベッド。
抱きしめていた猫のぬいぐるみを置き、重たい瞼を擦
りながら身体を起こした。
「…いい匂い」
きっと晩ご飯の匂い。
部屋を出て、階段を降りると更にいい匂いが漂ってく
る。開ききらない目のまま、匂いに釣られるがままに
足を動かす。
赤「あ、A起きた？丁度今呼びに行こうとしてた
ところだったんだ」
『ん、起きた…』
木「おー、A！寝ぼけてんじゃねぇか！笑」
木兎さんが私の頭をわしゃわしゃしてくるせいで頭が
揺さぶられる。不本意にも目が覚めてくる。
『おはようございます…』
黒「おー、起きたか。大分お疲れだったみたいだな。」
そう言いながら黒尾さんがリビングからやってくる。
黒「ちょっと渡したいもんがあるんだけどいいか？」
なんだろう…
手招きする黒尾さんにふらふらと着いていく。
黒「はい、これ」
そう言って箱が手渡される。
『…？開けていいですか？』
黒「ああ」
開けてみると、綺麗なネックレス
『え、これ…』
服を買ってもらったお店で私が見惚れていたネックレス
だった。
『あ、ありがとうございます…！！！』
どうしよう、すごく嬉しい。
今まで友達や家族と大きなショッピングモールに出か
けたことはないし、ゲームセンターにも行ったことな
い。もちろんこうやってプレゼントされたこともない。
今日1日でたくさんの幸せをもらった。今までの分を
埋め合わせするかの様に一気に。
黒「これは…その…お詫びというか…いや！物で釣ろう
としてるとかじゃなくて…せめてもの償いというか…」
目の前には、いつもの飄々とした姿とかけ離れたあわ
あわとした黒尾さんがいた。
黒「…色々と悪かった」
ちゃんと会話できるようになってからも無意識に避け
てしまっているところがあった気がする。
でも、黒尾さんは私にこんなにもたくさんの幸せをく
れる人。
いい人、だと思ってしまった。
『許してあげます！！！！』
木「あ！！！！黒尾がA泣かした！！！！！」
あれ…？笑顔で応えたはずなのに。
確かに涙が頬を伝っていた。
黒「え！？すまん気に入らなかったか！？」
また慌てだす黒尾さんが可愛らしくて、でも嬉しさが
止まらなくて、泣いたまま笑ってしまう。
『すっごくうれしい！！！』
今度こそ精一杯の笑顔で応える。
ちゃんと笑えてるかな。
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山田中 - やった！更新された！最高！ (2022年8月15日 2時) (
レス) @page22 id: 66acc9b5ba (このIDを非表示/違反報告)
最高です！ - さいっこうです、、！ (2022年7月21日 22時) (レス) id: 66acc9b5ba (このIDを非表示/違反報告)
桜の穂 - やばい鼻血出ます()めっちゃ好きですｩｩｩｩｩぅ!!更新待ってますｳうう (2022年7月12日 22時) (レス) @page16 id: f612835adc (このIDを非表示/違反報告)
みい - 全然更新されないよォォォ！！！まぁ忙しいのは知ってるんだけどサァァァ！！！！！！今まで見てきた中でこの作品が一番好きなんだよｫォ！！！ (2022年2月2日 22時) (レス) @page16 id: ab251f444b (このIDを非表示/違反報告)
かな - ﾎﾟｫｫｫｫｫｫｫｫｫｫｫｫｫｫｫｫｫｫｫ！{喜びの叫び) (2022年1月3日 1時) (レス) @page16 id: ab251f444b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すずめ | 作成日時：2019年3月19日 22時
