誘拐されまして【ハイキュー】

誘拐されまして 15 ページ16

赤葦side

赤「A、入るよ」

晩ご飯をのせたお盆を持ちながら扉に呼びかける

と、『はーい』というAの可愛らしい声が聞こえ

てくる





『ご飯っ！！美味しそう！！！！』





あの怯えてた顔からは想像もできないようなキラキ

ラした笑顔を向けてくる






赤「今日は料理得意な奴が当番だったからね」


『あっ、ご飯は当番制なんですね！どうしたらこん

なに上手に作れるんだろう…私にも教えてほしいく

らい…』




赤「…じゃあ他のメンバーに会ってみる？仲良くなっ

たら料理も教えてもらえるだろうし………あ、A

がここに一緒に住むならの話だけど」





帰る場所がないと聞いて、俺達の家に迎える気で話

を進めていたけど、まだAの答えを聞いていなか

った




いくら帰る場所がないと言っても、マフィアの巣窟

に喜んで入っていくとは思えなかった





でも、もし来るなら、

来てくれるなら、

俺達が精一杯大切にする。

今までされなかった分も。

だから______







俺は少し祈るようにAを見る













『私、ここに住みたいです！！！』









さっきまで料理に向けていたキラキラした目が、今

度は俺に向けられる






『どうせ帰る場所もないですし！

赤葦さん優しいし！………黒尾さんは怖いけど……

あと料理も美味しいし！……マフィアだけど……』





赤「じゃあ、ご飯食べ終わったらみんなに会いに行

こうか」




『はいっ！！！』




ところどころ小声でマイナスポイントを挙げられて

るけど、それよりもAの返答が嬉しくて、心なし

かいつもより俺の声のトーンが高くなった気がした

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