あの子のヒミツ。*tk×in* (ページ7)

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チョウにつられてやって来たとこは、人も少なく木が生い茂っている、自然豊かなところ。

いわばうちの高校の穴場スポットみたいな感じかな。

その自然に目を奪われているとチョウはどこかに消えていて。

ふと目に入った巨大な木の陰には黒髪の子。

俺は無意識にその子の方に向かって歩いていた。

確実にあの子だなんて決まってないのに、なんだか心の奥がざわついたんだ。

ほどよく陽が入り込んでくるここはぽかぽかしていて気持ちがいい。

｢っ.. 、｣

綺麗な顔をして眠る君がそこにいた。

なんとなく、わかったんだ。

この子が、俺の探していた“ 誰か ”だと。

木にもたれかかってマスクを取って、膝の上に本を置いて寝ている。

｢ ( やば.. ) ｣

まつ毛はきちんと伏せられていて、いつもマスクをしていて見えなかったぽてんとした唇。

幼い顔で眠る君は例えるならそう、

｢天使、｣

その言葉がぴったりだと思った。

木漏れ日が優しく黒髪を照らしていて、ふわふわとした印象を俺に与える。

あと5分ほどでチャイムが鳴るが、起こすのは少し可哀想。

俺は少し離れた隣に腰掛け、購買で買ったパンを頬張った。

｢名前..早く知りたいな｣

穏やかな顔ですやすや眠る君を見て、強くそう思った。

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