〇恥ずかしい ページ25
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一体いつからここにいたのだろうか。全く気が付かなかった。
周りには彼と私以外誰もいない。そしてここは廊下の端…つまり、偶然誰かが通りかかるなんて可能性はほぼ無い。
どうにかして自分だけでこの状況を切り抜けないと…
｢……っ｣
｢……｣
ごくりと唾を飲み込んで、最悪の事態に備えて身構える。
大丈夫。いざとなったら叫んで助けを求めれば、きっと誰かが気付いてくれるはず…！
彼はそんな私を一瞥すると、まるで何も見なかったかのように目の前のドアを開けてそのまま部屋の中に入っていった。
｢…え？｣
拍子抜けして、思わず素っ頓狂な声が出る。
誰もいなくなった廊下。取り残されたのは変なポーズで構える私。
…何もされなかった。どころか、彼が私に向けた感情は紛うことなき｢無｣だった。
興味を持たれることもなく、怖がられることもなく、あたかも道端の雑草を見つめるようなあの目。
彼が入っていったのは恐らく自室で、ここにいたのはただ単に自分の部屋に通じる廊下だったから。
…そこまで考えたところで、数十秒前の自意識過剰な自分を思い出してみるみるうちに顔が熱くなっていく。
｢(彼がどんなに危険人物だからって知らない人間に突然危害を加えてくるわけないし、第一どう考えても他人の部屋の前で独り言喋ってる私の方が不審者だよ…！！)｣
｢Aさん？｣
頭を抱えて1人で身悶えをする私の肩を、後ろから誰かがトントンと叩く。
｢はい！｣と勢いよく振り返れば、視界に入ってきたのは黄色の麦わら帽子。
｢エマちゃん！｣
｢ああ、よかった！やっと見つけたなの！｣
ふう、と汗を拭う様子を見ると彼女はたった今ここに来たところらしく、さっきの無様な姿は見られていないようで良かった…と一安心する。
なんで悶えてたのかを聞かれる前に話を変えよう。
｢エマちゃんはゲーム終わったところ？｣
｢そうなの！今さっき終わって…
Aさんはどうしてこんなところに？｣
｢あ、私は…｣
突然ここにトリップして来たから何も持ってきてなくて〜と正直に説明すると確実に頭のおかしい人だと思われるので、端的に｢日用品を何も持ってきてなかったからビクターくんに注文してもらうことになったの｣と答える。
｢えっ！何もって…タオルやお着替えも？｣
｢タオルは昨日ビクターくんが2枚くれて…｣
案の定、何も持ってきていないと聞いてかなり驚いた顔をしたエマちゃんに、｢着替えは今頼んだら数日後には来るみたい｣と伝えると、エマちゃんは顎に手を当てて少し考えるような仕草をした。
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ななな(プロフ) - 花恋さん» ありがとうございます〜！こちらこそ読んでいただけてとっても嬉しいです！これからの展開もぜひぜひ楽しんでください(*´∀`) (2023年4月19日 3時) (
レス) id: 5843cfdf5e (このIDを非表示/違反報告)
花恋(プロフ) - 更新嬉しいです！これからどうなるのか楽しみにしてます！ (2023年4月18日 18時) (レス) @page42 id: e938aee02d (このIDを非表示/違反報告)
ななな(プロフ) - マシロ＿mashiroさん» コメントありがとうございます！待っててくださる方がいると思うとすごく励みになります(；；)果たしてウィリアムと仲良くなることはできるのか、これからも楽しみにしてくださると嬉しいです！ (2023年4月18日 17時) (レス) id: 5843cfdf5e (このIDを非表示/違反報告)
マシロ＿mashiro(プロフ) - ウィリアム編楽しみに待ってます！ (2023年3月6日 14時) (レス) @page41 id: 664df39994 (このIDを非表示/違反報告)
ななな(プロフ) - あきさん» とっても嬉しいお言葉ありがとうございます(；；)こちらこそ読んでいただけて感謝しかありません…！まだまだお話は続くので、ぜひ今後ともお付き合いください！ (2022年10月16日 19時) (レス) id: 5843cfdf5e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ななな | 作成日時：2021年9月12日 14時
