●打開策 ページ12
．
｢…と、以上が俺が日本で体験した話だよ。｣
カートさんがそう言って話を終える頃にはもう、私はすっかり彼の話に心を打たれていて。
はぁーと余韻に浸りながら拍手をすると、カートさんはすっかり冷めてしまったコーヒーを飲みながら｢君が熱中して聞いてくれるから、こっちも話してて楽しかったよ。｣と笑った。
｢本当にすごいですよ…私、すっかり夢中になっちゃいました。｣
｢あはは、ありがとう。｣
｢どうしたらあんなに素敵なお話思いつくんですか？｣
素直に、褒め言葉のつもりでそう言った。
でもその瞬間、ピリッと空気が冷えたのを感じて、すぐに自分がとんでもないことを言ってしまったのだと気が付いた。
｢何が言いたいの？｣
｢いや、その…｣
｢…あれは、俺の『冒険譚』だ。実際に体験した、真実の話。素晴らしい旅の記憶。
決して作り話なんかじゃない。｣
嫌な汗が頬を伝う。
瞬きひとつせず私のことを見つめるカートさんに、動悸が高まるのを感じる。
やばい、やばい、どうしよう、どうしたら？
息苦しい感覚とは裏腹に、はぁっ、はぁっという自分の呼吸だけがいやにうるさく聞こえて、唾液を飲み込むこともままならない。
｢それとも…君"も"俺が間違ってるって、嘘をついてるって言いたいのか？｣
｢か、カート、さん｣
｢何？｣
表情一つ変えずにそう返事をする彼に、今、頭の中に浮かんだ打開策が本当に通じるのかともう一度考える。
…駄目だ、もうこれ以上何も浮かばない。この状況を打開できるとしたら、これしかない。
一か八か。吉と出るか凶と出るか。
私はゆっくりと口を開いた。
｢…カートさんは、最初に『ドラゴンと遭遇したことがある』って仰ってましたよね…｣
｢ああ、あるとも。｣
｢実は、実は私……私は、
恐竜に会ったことがあるんですよ。｣
・・・。
｢えーっ！！本当に！？｣
よし、食いついた…！
．
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ななな(プロフ) - 花恋さん» ありがとうございます〜！こちらこそ読んでいただけてとっても嬉しいです！これからの展開もぜひぜひ楽しんでください(*´∀`) (2023年4月19日 3時) (
レス) id: 5843cfdf5e (このIDを非表示/違反報告)
花恋(プロフ) - 更新嬉しいです！これからどうなるのか楽しみにしてます！ (2023年4月18日 18時) (レス) @page42 id: e938aee02d (このIDを非表示/違反報告)
ななな(プロフ) - マシロ＿mashiroさん» コメントありがとうございます！待っててくださる方がいると思うとすごく励みになります(；；)果たしてウィリアムと仲良くなることはできるのか、これからも楽しみにしてくださると嬉しいです！ (2023年4月18日 17時) (レス) id: 5843cfdf5e (このIDを非表示/違反報告)
マシロ＿mashiro(プロフ) - ウィリアム編楽しみに待ってます！ (2023年3月6日 14時) (レス) @page41 id: 664df39994 (このIDを非表示/違反報告)
ななな(プロフ) - あきさん» とっても嬉しいお言葉ありがとうございます(；；)こちらこそ読んでいただけて感謝しかありません…！まだまだお話は続くので、ぜひ今後ともお付き合いください！ (2022年10月16日 19時) (レス) id: 5843cfdf5e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ななな | 作成日時：2021年9月12日 14時
