snow pink ３

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緑



(あのあと佐久間、大号泣だったなぁ)



あんなに泣いてる佐久間、６人だったときだって見たことなかったもんね。

佐久間の心にみんなの思いがしっかりと届いた証の涙だったんだ。

その証拠にあれから佐久間が悪いほうへ気持ちを傾けることはなくなった。

みんなと一緒に居たいと言えた佐久間はこう続けた。



『っ、たぶん、いっぱい、っ、迷惑も心配も、かけると思うっ…時間もっ…いつ治るか、わかんないっ…

なにがあるかもっ、わかんないけどっ…俺っ、がんばるからっ…助けてくださいっ…よろしく、お願いしますっ！！』



たくさん泣いたせいでだいぶしゃくりあげながらも強い決意を滲ませた瞳でそう言い、立ち上がってメンバーに深々と頭を下げた。

そこでみんな涙腺崩壊したんだよね。

あっという間にみんなで佐久間を囲んでふっかと康二はわんわん泣いて、翔太もそこそこ泣いてたな。

他のメンバーも目頭を押さえたりしてて。

何度思い返しても、なんだか青春映画のワンシーンのようで気恥ずかしい。



(でも却ってよかったんだよね。あれがなければ、佐久間は気持ちが揺らいだまま共同生活も治療もスタートさせてしまうところだったんだから)



ひとしきり感動したあと、はたと気付いて滝沢くんと高野先生に向き直ると２人とも優しい笑顔だった。



『迷いは消えたみたいだな』



滝沢くんの言葉に佐久間が大きく頷いて、更に驚くことに高野先生を見ながらこうも言った。



『せんせっ…治療、よろしくっ、お願いしますっ…！』



めっちゃしゃくり上げながら佐久間がまた深く頭を下げて、みんながそれに続いて。

大男が一斉に体育会系で「お願いします！」って叫んだから高野先生は笑いながら「すごいなぁ」ってびっくりしてた。

滝沢くんは慣れてるから「っるせぇ！」って笑ってたっけ。

あの騒動があったおかげで、ここでのスタートはみんな晴れ晴れとした気持ちでしかなかった。






『だあああぁぁぁーーーっ！！ 負けたーーーっ！！』

『はーい佐久間どいてぇー♪』

『やばっ、ふっかさん戻ってきた！』

『ラウ大丈夫。っしゃ全員でふっかやるぞ』

『そうっすね』

『おい翔太！めめも乗るなぁ！』

『自分のゲームなんだからハンデじゃね？』

『岩本さん？』

『にゃははっ！そーだそーだぁ♪』

『うるせぇっ、敗者は黙ってろっ！』



まさかこんなにも賑やかになることまでは想像してなかったけどね(笑



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