実弥さんのご飯 ページ3
「え、実弥さんが…?」
実弥「オォ」
驚きすぎて固まっていると、荷物を持って台所へ行ってしまった。
え?今日実弥さんのご飯??
「それって最高じゃん…!」
急いで家の中に入ると、腕まくりをして材料を並べている実弥さんがいた。
実弥「何作ろうとしてたんかァ?」
「あ、お鍋を作ろうと思ってました」
実弥「鍋かァ」
少し考えたあと、すぐに料理を始めた。
どんな料理が出来上がるんだろう…。
──
手伝おうとするとシッシッと台所から追い払われるので、大人しく待っている。
すると、鍋を持った実弥さんが現れた。
実弥「A、出来たぞォ」
「わぁ……!」
鍋の中にはホカホカの牛鍋があった。
「あれ?私お肉買いましたっけ」
実弥「いやァ。貰いもんの牛肉があったからそれを使ったァ」
あぁなるほど。ていうか、最初から作り気満々だったんですね。
実弥「オラァ座れェ。食べるぞォ。」
「はい!」
実弥「いただきます」
「いただきます!」
早速牛肉から頂く。お肉は柔らかく脂がのってて、噛む度に甘塩っぱいタレが出てきた。
「ん〜!美味しい!美味しいですよ、実弥さん!」
実弥「そりゃァ良かった」
「私のよりも美味しいんじゃないですか?」
冗談抜きで、本当に美味しいのだ。
実弥「それはねェだろォ」
「えー?」
絶対実弥さんの方が美味しい気がする。不本意だけど。
実弥「Aの飯はいつも美味ェよ」
「へ、」
私は器用じゃないからそんな大層な料理作ってないし作れない。なんなら料理はちょっと苦手なぐらいだ。味だって、時々失敗する。
それなのに美味しいと言ってくれる。
嗚呼…好きだなぁ……
胸のキュウっとする痛みをかき消すかのように、牛鍋を口いっぱいにいれる。
実弥「オイィそんなに急いで食べると噎せちまうぞォ」
「ふぁねみふぁんのふぇいでふからね!?(実弥さんのせいですからね!?)」
実弥「何言ってんのかわかんねェけどゆっくり食べろォ」
「んむぅ……」
仕方なくゆっくり食べる。
実弥「フッ、クククッ」
「わ、笑うことないじゃないですか!」
実弥「イヤァお前がリスみてェに頬膨らますからだろォ」
「リスって……」
失礼な。元はと言えば実弥さんが急に爆弾落としていったせいですからね?
まぁいいけど。
実弥「そんな美味かったかァ?」
「はい。こっちが悔しくなるぐらいには」
実弥「ククッ……そうかァ。喜んでもらったみてェで良かったよ」
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鈴音月 - ゼリーさん» やさしい゛゛゛!! (2021年6月14日 20時) (レス) id: 7ac441a921 (このIDを非表示/違反報告)
ゼリー - こちらこそお忙しい中更新してくださってありがとうございます! (2021年5月31日 17時) (レス) id: 4ef789830e (このIDを非表示/違反報告)
鈴音月 - ゼリーさん» ありがとうございます(泣) (2021年5月29日 13時) (レス) id: 665296cf15 (このIDを非表示/違反報告)
ゼリー - 受験生なんですね!受験勉強頑張ってください! (2021年5月25日 21時) (レス) id: 4ef789830e (このIDを非表示/違反報告)
鈴音月 - ゼリーさん» まじですか!?!?おめでとうございます!!(気が早い)応援のお言葉もとても嬉しいです…。更新遅くてすいません。受験生なもので、ね、うん、言い訳は良くないですね。頑張ります!!! (2021年5月23日 11時) (レス) id: 665296cf15 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鈴音月 | 作成日時:2020年12月21日 22時