本当の本当は ページ13
ご飯を食べ終わった後、自室に行こうとする実弥さんを引き止める。
「実弥さん?手当てするって言いましたよね?」
実弥「………アァ」
そしてそのまま縁側に座らせて怪我してるところを出させる。
今回は腕に大きな傷が出来てた。深くはないが、カタナで切りつけたんだから放置してたら危ない。
「もう…そのやり方は止めても無駄だと思いますけど、処置だけはちゃんとやりましょうよ。悪化したらどうするんですか」
血拭き取って消毒する。そしてガーゼを貼って包帯で巻く。
ちなみに怪我してない方の腕で片膝に頬杖をつき、そっぽを向いている。私の言葉は無視だ。
「そもそも、なんでそんなに手当て嫌がるんですか?」
最初の方なんて手当ては断固拒否だった。自分を切りつけることを知った時は何度か説得しようとしたが聞く耳を持たなかった。
実弥「……誰かに手当てされんの、慣れてねェんだよ。手当てなんざしなくてもその内治らァ」
そっぽを向いたまま、小さい声でそう答えた。
「なんですかそれ。じゃあ私が来るまでの間、傷は放ってたんですか?」
私がここに来る前は治療で蝶屋敷に来ることなんてほとんど無かった。まぁ今もだが。
実弥「アァ」
「何考えてるんですか、馬鹿なんですか?傷口から菌が入ったら死んでしまうこともあるんですよ?」
実弥「別にィ今まで大丈夫だったんだからいいだろォ」
はぁ???
「実弥さん?ちゃんと手当てはしましょうね?(黒笑)」
実弥「チィッ……わァったよ!」
うん、これから手当てはちゃんとさせてくれそうだ。
実弥「お前ェそういうとこだけ無駄に胡蝶に似てるよなァ」
「そうですか?」
実弥「嗚呼、笑顔で圧かけるとことか、お節介が多いとことかなァ」
笑顔は兎も角、お節介て…
「……悪口ですか?」
実弥「違ェよ。褒め言葉だァ」
果たして本当なのだろうか
実弥「要は面倒見がいいってこったなァ」
「えぇ……」
そうなのだろうか。戸惑いながらも包帯を巻き終える。
服を戻しながら、実弥さんがボソッと言った。
実弥「ま、お前ェの手当ては痛くねェから嫌いじゃねェ」
「え?」
それだけ言って自室に行ってしまった。
え、それって痛いから嫌だったてのもあるってこと?あれだけ色々言い訳してながら本当の本当は痛かったからって
「貴方は子供ですか…」
頭を抱えながら呟く。
私のご主人様は我儘でいけませんね…
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鈴音月 - ゼリーさん» やさしい゛゛゛!! (2021年6月14日 20時) (レス) id: 7ac441a921 (このIDを非表示/違反報告)
ゼリー - こちらこそお忙しい中更新してくださってありがとうございます! (2021年5月31日 17時) (レス) id: 4ef789830e (このIDを非表示/違反報告)
鈴音月 - ゼリーさん» ありがとうございます(泣) (2021年5月29日 13時) (レス) id: 665296cf15 (このIDを非表示/違反報告)
ゼリー - 受験生なんですね!受験勉強頑張ってください! (2021年5月25日 21時) (レス) id: 4ef789830e (このIDを非表示/違反報告)
鈴音月 - ゼリーさん» まじですか!?!?おめでとうございます!!(気が早い)応援のお言葉もとても嬉しいです…。更新遅くてすいません。受験生なもので、ね、うん、言い訳は良くないですね。頑張ります!!! (2021年5月23日 11時) (レス) id: 665296cf15 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鈴音月 | 作成日時:2020年12月21日 22時