ep.15 ページ18
(仁川)
「んで!お前は何回うちに1人で乗り込んでくんだよ!」
「はは!ジンジン!また来ちゃった!」
こいつ、花岡楓士雄はまた飽きもせず鳳仙に1人で乗り込んで来やがった。分かってんのか?うち、一応殺し屋だぞ?そんな言葉も右から左へ。ジンジンなんかふざけた名前で呼びやがって。
「今日はサッチーいて良かったわ!」
「楓士雄、用件は」
「それがよー。ん?あれ、やっちんは?」
「Aは…あれだ。もうすぐ戻ってくる」
「じゃあ待ってるわ」
「いや、帰れよ」
ナイスツッコミ。今のはいいツッコミだシダケン。俺も同じこと思った。
「おい楓士雄。矢田に直接連絡しろ」
「やっちんの連絡先知らねーもん」
「仁川、いい。おい楓士雄。Aが来るまで居ていいぞ」
「まじ!?」
おい佐智雄まじかよ。いやまあ、楓士雄も別に俺らとやろうもしてきた訳じゃねぇから問題はなさそうだけどよ。
「佐智雄さん!戻りました!」
「たでーまー」
ナイスすぎるタイミングで登場した3人は、サバカン率いる今回の偵察部隊。まあ言えば…サバカン1人じゃなんかあった時どうもできねぇから、佐智雄が小田島と矢田の仲良しコンビをセットで行かせたってわけだな。
「やっちん!!待ってたぜ!」
『なんで楓士雄がいんの?また乗り込んで来たわけ?何してんのマジで…』
「なあやっちん!俺と一緒に合コン行かねえ?」
『マジで何?』
小田島の目の前で矢田の手を握った楓士雄は、そのまま矢田に合コンの申し込みをした。多分人数合わせなんだろうけどよ、お前…それ…小田島の前で言うか?普通。まじで死ぬぞ楓士雄。
「合コンってなーにー。誰が来んの?」
「K女子。うちは司と俺と泰志が確定なんだけどよ、あと2人必要なんだわ。で、ジャム男がやっちんはどうだ?って」
「鬼邪高の合コンに鳳仙が参加していいのか?」
「あんま相手にはわかんねぇから大丈夫だ」
『あと2人なら…そう、顔だけで言えば中越とか轟とか。辻も結構可愛い顔してるじゃん』
「司もやっちんがいいって言ってたし…頼む!」
いや本気でやばい。合コンというより、矢田に目を向ける人間が増える事自体がやばいんだがな。見てみろ小田島の顔。サングラスの奥が笑ってねぇ。
「いんでねーの?でも、俺も行くわ」
「お?まじ?お前ら2人来てくれるとか心強いわ!」
「…ああ。やっちまった」
「やったな」
『怖えよ…どうしよう…』
頑張れ矢田。生きて帰れよ。
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作者名:飽き性 | 作成日時:2022年9月30日 1時