ツンデレな彼女を口説きたいpart2

ツンデレその62 ページ14

私達がファミレスを出る頃には、雨雲が空を覆っており、雨が降っていた。

いかにも、これから不吉な事が起こりそうだ。


「雨降ってるじゃない。傘持ってきてないのに」

「濡れて帰るか？」

「はぁ！？ 嫌よ！」

「冗談だって」


颯真は、アハハと笑っている。

全く、呑気な奴ね。

私は颯真を呆れた目で見ると、灰色の空を見上げる。


「雨、止まないかな」

「そんな、早くは止まねぇよ」


その時だった。


「あら？ 神崎君じゃない。それに龍之寺さんも」


白を主に金色の豪奢な装飾がしてある高級車が目の前で止まったかと思うと、窓から城ヶ崎が顔を出した。

周りで雨宿りをしていた者も、城ヶ崎に視線を向けてくる。

そりゃそうだ。こんな派手で豪奢な高級車、絶対街では見ない。


「な、何であんたがここに居るのよ！」

「相変わらずね。せっかく乗せてあげようと思ったのに」


その言葉で私は、何も言えなくなってしまった。


「ま、とりあえず乗りなさいよ」

「そ、それじゃあ、今日だけお世話になるわよ？」


私は城ヶ崎の高級車に乗ろうとするが、颯真はなぜか下を向いたまま乗ろうとしない。


「颯真？」

「神崎君？」


下を向いたまま、何も答えないと思ったら、颯真はいきなり顔を上げる。


「今日振った女の車に世話になれるかよっ！」


そう言って、颯真は雨の中を走って帰る。

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