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「俺の名前はな──」
「駄目！やめて！」
Aは耳を塞いで叫んだ。
「それだけは駄目。シャオロンくんが良くても、私が良くないの」
強くそう言われた。
「こんな辛そうにしてるAに、俺は名前すら教えられへんの？」
「私はシャオロンくんに何かあった時のほうが、ずっと辛い」
「なんにも起きへんから、大丈夫」
「知らないんだ、シャオロンくんは知らないんだよ」
「私達は本来、生きている人とあまり関わっちゃ駄目なんだ。それを破った人がどうなったか…」
「…どうなんの？」
「消えた。人間も、幽霊も。魂ごと消された。
天国でも地獄でも霊界でもなく、消えちゃった」
「そっか…、それは困ったな」
「そうでしょ？だからお願い」
「Aが消えたら、俺は耐えられへんわ」
「でも私、いつか消えちゃうよ？」
「Aが笑えるところにいけるならそれでええなって」
「シャオロンくんキザだね」
「ははっ、よく言われる」
冗談めいた言葉の中に、祈りを込める。
今だけは、神様信じるから。
彼女はもう、幸せになってもいいじゃないか。
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続く (更新停止中)
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作者名：ツナマヨ | 作成日時：2019年1月17日 23時
