繋ぐ - 3 -

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ファミレスで適当な料理を頼み、CDをセットした所で母親は席を立った。

「わざわざイズミさん宛にしてるくらいだし、ほら、やらしい内容だったら困るじゃない？」

そう言って長めのトイレに消えていった。
…それはないと思うが。
仕方なくイヤホンを耳にさし、少しの緊張と共に再生ボタンを押す。






『イズミさん、26歳ハッピーバースデー！！』






「…はぁ？」

耳に飛び込んできたのは9人分の明るい声。
楽しそうなのは何よりだが…26歳？
いったい何年前の話をしているんだ。

『せーの…27歳ハッピーバースデー！！』

間を開けずにまた9人分。
頭が混乱してきた。

『次がえーと、28歳？』
『つーか何歳まで祝うんだよ』
『直接祝えばいいじゃーん』

雄也の声に、涼介と侑李が冷静に突っ込む。
言い返すのは裕翔だ。

『駄目だよ、マネージャー代わったら直接は難しいし、俺イズミの事は祝いたいし！』
『で、何歳までやるの』
『イズミの寿命…ざっと100歳？』
『俺らが先に死にそうなんだけど』
『じゃあ150歳まで祝っとこう！』
『ギネス載るわ』

馬鹿馬鹿しいやりとりを聞いて納得する。
これは俺と別れるのを前提に、ずっと前に録音された音源だ。

死別じゃなくても、さよならはそこら中に散らばっていた。

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