. ページ21
.
慌てて受付まで行けば、そこにいたのは見覚えのある女性だった。
「…伊野尾さん？」
ぱっと顔を上げたのは、慧の母親だった。
「よかった、受付の子ポカーンとしてたからイズミさん辞めちゃったのかと思った」
「それは…すみません、俺の説明不足でして。何かありましたか？」
「ええ、ちょっとご挨拶に」
お昼まだなら外でどうですか、と誘われた。
それに乗って財布だけを持ち外に出る。
「実はね、本格的に海外に引っ越す事になったの。実家を手放して。今日はそのご挨拶に」
「そうなんですか！…ああ、元々拠点は向こうなんでしたっけ」
「ええ。息子と娘が帰ってくるだけの場所だったんだけど、娘も結婚したから良い機会かなって」
だからって勇気がいる決断だ。
亡き息子の面影を自ら消すような事…きっと2年間は出来ずにいたんだろう。
「…でね、息子の部屋片付けてたらこんなものを見つけたの」
彼女が取り出したのは1枚のCD。
薄青の付箋に「イズミ」とだけ書いて貼った、適当な代物。
「きっと貴方のでしょ？」
慧が、俺に残した最後の…………。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 176人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「Hey!Say!JUMP」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
絵留(プロフ) - いのちねまりそうさん» コメントありがとうございます！応援ありがとうございます。かなり不定期にはなってしまいましたが、もしまたお目にかかる機会がありましたら、ぜひよろしくお願いします(*´ω`*) (2022年1月19日 23時) (
レス) id: 0e6986df63 (このIDを非表示/違反報告)
いのちねまりそう(プロフ) - 初めて読ませていただきました。1日では泣きすぎて目が腫れそうだったので何日間かに分けて読ませていただきました。伊野ちゃんのJUMPの思いが伝わって来て感動しました。最高のお話をありがとうございます。これからも応援しています。頑張ってください。 (2020年12月8日 18時) (レス) id: 1e709007bb (このIDを非表示/違反報告)
絵留(プロフ) - みおさん» コメントありがとうございます！かなりの亀更新なんですが頑張りたいと思ってるので、よかったら応援よろしくお願いします♪ (2020年1月2日 22時) (レス) id: e880fb81e7 (このIDを非表示/違反報告)
みお(プロフ) - 感動します。終始泣いてます。涙が止まらないんです。頑張ってください！ (2019年12月29日 1時) (レス) id: bc5c2d2761 (このIDを非表示/違反報告)
い の あ や。(プロフ) - 絵留さん» ありがとうございます。またコメントさせていただきます！ (2019年7月30日 15時) (レス) id: d6b6bea8f6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：絵留 | 作成日時：2019年7月28日 12時
