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そこまで考えを巡らせた後、スナフキンはゆっくりと起き上がりました。
身体の下の草や、周りを囲む木、テントの重しにしている石を……じゅんぐりと見渡します。
そして、ぞっとするような身震いがその身体を襲いました。
「(どこからどこまでが、“本物”の自然なんだ？)」
あの案内人はこう言いました。
“蟻になりたいと思ったことはある？”
“野の花には？”
そう言うからには、蟻や野の花になることは可能なのでしょう。では草は、木は、石は？
本当に自分が今ひとりでいると、スナフキンは言えるのでしょうか？
「だめだ」
スナフキンの身体を断続的に身震いが襲いました。
「少なくとも、僕にとっては楽園じゃない」
監視されているような落ち着かなさを拭うように、スナフキンは衝動的に立ち上がりました。テントを片付け、すぐにでも出国しようと考えたのです。しかし、感じたことの無い薄気味悪さに、彼の注意は散漫になっていました。
ぐき、と足首が鈍い音を立てます。声にならない声がスナフキンの口から漏れました。
「〜〜〜ッ、しまった……」
うまく力の入らなかった足首が内側に思い切りねじれてしまったのです。半ば崩れるようにしゃがみこみ、ブーツを脱いで患部を押したり撫でたりすると、鈍い痛みが走りました。
「(それほど重傷ではなさそうだけれど、しばらくは休ませた方がいいだろうな。……仕方ない。とりあえず出国は後回しだ)」
……と、こういうわけでスナフキンは、小川の水に浸したスカーフで足首を冷やしながら、むっつりと夜を迎えたのでした。
女王様から賜った上質なコーヒーを口に含んでみても、スナフキンの心の慰めにはなりませんでした。寒さ暗さを凌ぐため、そしてコーヒーを沸かすために燃やしている薪ですら、真の姿について考えを巡らせないわけにはいかなかったのです。
「もし君たちがただの木の枝じゃないのなら、今すぐに元の姿に戻ってくれよ。僕はこれから君たちを燃やすつもりなんだからな」
と、馬鹿ばかしくも木の枝に話しかけながら薪集めをしている間、スナフキンは自分の頭がおかしくなったわけではないと3回も自身に言い聞かせなければなりませんでした。
そうして今は、この不気味な国で眠れないまま朝を待つか、いっそ這ってでもこの国を出ていってやるかを悶々と考えているのでした。
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雪野(プロフ) - ありがとうございます！投稿したら報告しますので機会があれば見ていただけると嬉しいです(●´ϖ`●) (2月6日 17時) (
レス) @page2 id: bc308af5a3 (このIDを非表示/違反報告)
匿名さん - (続き) 作者の名前とタイトルを記載していただければ、煮るなり焼くなりお好きになさってください。(僕も趣味の範疇&気の向いた時の更新ですので、雪野さんも描きたくなったらお好きなところだけ……が自然だと僕も思います！笑) (1月23日 2時) (レス) id: 3945cd8343 (このIDを非表示/違反報告)
匿名さん - 雪野さん» コメントありがとうございます！お返事が遅くなってしまって申し訳ありません。まだお気持ちに変わりなく、僕の拙い夢小説にそのような素敵なファンアートをつくってくださるのなら、僕はとても嬉しいです。 (1月23日 2時) (レス) id: 3945cd8343 (このIDを非表示/違反報告)
雪野(プロフ) - とっても好きすぎます… このストーリーを丸々そのまま漫画にしてpixivに上げたいのですが良いでしょうか？ 趣味の範疇なので途中までかもしれませんが... (1月12日 16時) (レス) id: bc308af5a3 (このIDを非表示/違反報告)
匿名さん(プロフ) - marimo03250226さん» コメントありがとうございます！夢主だけじゃなく雰囲気もふわふわさせていけたらなと書いています(*´`*)笑 応援とっても嬉しいです！のんびりお付き合いくださると幸いです (11月28日 23時) (レス) id: 3945cd8343 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：匿名さん(情緒不安定) | 作成日時：2023年1月30日 2時
