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「あんたって欲がないんだなあ」
お城からの帰り道、フォルシは大きな声で感心したようにそう言いました。手を引かれる少女が楽しそうに二人の後をついていきます。スナフキンは少女と反対の手に上等なコーヒーの袋を抱え、表情を変えずに返事をしました。
「欲はあるさ。宿と宝石には困っていないだけで」
「宝石に困っているやつなんかいないよ。財産としてとか、綺麗だからとか、自慢とか、そんな理由で持つもんさ」
「十分持っているんだ」
スナフキンは足を止めて目を閉じました。フォルシも呆気に取られて足を止めます。蟻の行列に気を取られていた少女だけが歩き続け、スナフキンの背中に衝突しました。
「……。つまり僕は、目の奥にたくさんの宝石をしまっていて、それをいつでも取り出せるんだ。エメラルドの森も、ガーネットの谷間もね。きみ、大丈夫かい？」
少女が鼻血を出していないか確認するスナフキンに、フォルシが呆れたように聞き返します。
「なんだって？」
「ダイヤモンドの星空もアクアマリンの樹氷だって、僕は持っているんだ。バッグの中じゃなくね」
「そいつはつまり、あんたの頭の中ってこと？」
「そうだね」
少女の丈夫な鼻を確認し終えると、スナフキンは再び歩き始めました。そうして、「あ」と小さな声を漏らします。今度は立ち止まりはしませんでしたけれどね。
「どうしたのさ」
「うん。この国の秘密ってやつを女王様から聞くのを忘れてた」
ずっと煙に巻かれたような気分だったフォルシは、ようやく自分に分かる話題が出たので張り切りました。
「ああ、そいつは僕が教えるよ。そう、当たり前すぎて、教えるのをお忘れになったんだな、女王陛下は。それか、あんたがへんてこすぎてさ」
「へんてことは失礼なやつ。それで？」
スナフキンが軽口に軽口を返します。フォルシが足元に視線を落として見せました。スナフキンがつられて下を見ると、蟻の行列がぞろぞろと巣穴の中に帰っていきます。少女が指を突っ込もうとするのをやんわり抑えながらフォルシが小声で言いました。
「蟻になりたいと思ったことはある？」
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雪野(プロフ) - ありがとうございます！投稿したら報告しますので機会があれば見ていただけると嬉しいです(●´ϖ`●) (2月6日 17時) (
レス) @page2 id: bc308af5a3 (このIDを非表示/違反報告)
匿名さん - (続き) 作者の名前とタイトルを記載していただければ、煮るなり焼くなりお好きになさってください。(僕も趣味の範疇&気の向いた時の更新ですので、雪野さんも描きたくなったらお好きなところだけ……が自然だと僕も思います！笑) (1月23日 2時) (レス) id: 3945cd8343 (このIDを非表示/違反報告)
匿名さん - 雪野さん» コメントありがとうございます！お返事が遅くなってしまって申し訳ありません。まだお気持ちに変わりなく、僕の拙い夢小説にそのような素敵なファンアートをつくってくださるのなら、僕はとても嬉しいです。 (1月23日 2時) (レス) id: 3945cd8343 (このIDを非表示/違反報告)
雪野(プロフ) - とっても好きすぎます… このストーリーを丸々そのまま漫画にしてpixivに上げたいのですが良いでしょうか？ 趣味の範疇なので途中までかもしれませんが... (1月12日 16時) (レス) id: bc308af5a3 (このIDを非表示/違反報告)
匿名さん(プロフ) - marimo03250226さん» コメントありがとうございます！夢主だけじゃなく雰囲気もふわふわさせていけたらなと書いています(*´`*)笑 応援とっても嬉しいです！のんびりお付き合いくださると幸いです (11月28日 23時) (レス) id: 3945cd8343 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：匿名さん(情緒不安定) | 作成日時：2023年1月30日 2時
