私の存在意義 (ページ8)

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サイン会③ ページ8

Aside

一瞬、何が起こったのか…、
私も、そしてきっと隣にいたハニオッパもチャニも、会場にいたみんなわからなかった

ただ今わかるのは右腕に激痛が走ったということと、会場のペン達の悲鳴

『…っ』

JH「…っ、A…！」

DN「Aヌナ…っ！！腕から血が…っ」

ハニオッパとチャニに言われてようやく右腕が真っ赤に染まっていることに気付いた
衣装が裂け、その部分からは傷が見えた

傷を見て、やっと状況がほんの少しだけ理解できた

『(…私、この女の人に切られたんだ…)』

そしてハニオッパが呼んだスタッフが走ってきて女の人を取り押さえた
女の人はスタッフに抑えられながらも私の方を睨みつけ口を開いた

「お前みたいなのがセブチにいるから悪いのよ…っ！」
「オンナのクセにハニやジョシュアのそばにいるから！！」
「お前なんてセブチにいらない…っ！」

あぁ、いつぶりだろ…
目の前でこの言葉を言われたのは
でも、この人の言ってることは…

『…、そうかもしれないです』

JH「おい…っ、お前何言って…っ」

『私は女だし、メンバーやペンの人達からしたら足手纏いとか邪魔な存在かもしれない』

JH「A、やめろ…」

やめないよオッパ
今この人には、この会場にいるペンには伝えないといけないの
そして勿論オッパ達にも

『でも、私にはSEVENTEENしか居場所がないんです』

『13人のメンバーといることが、13人がいるこのSEVENTEENだけが私の存在意義なんです』

『今までもこれからもずっとそれだけは変わらないし、変えられないんです』

私はSEVENTEENっていうこの居場所をなくしたらまた1人になる
あの時みたいに

「は…？だから何よ…、私は他のメンバーさえいればいいのよ…！」

『…、じゃあ何でですか？メンバーを大切に思ってくれているはずなのに、メンバーが大切に思っているペン達の前で何でこんな騒ぎを起こすんですか？』

「…っ」

『私1人の時は何しても構いません。ただメンバーやペン達を傷付けるのだけは許せない』

女性は私の言葉に対して無言でスタッフと共に会場を出た

DN「…Aヌナ、早く手当てしないと…っ」

『うん、ちょっと行ってくるねチャニや。…caratの皆さん、ビックリさせてごめんなさい！
私は全然平気なので、心配しないで下さい！すぐ戻りますから！』

今、私の声震えてなかったかな
涙は出てないかな

あぁ…、痛い、心も身体も痛い