stxxx様BL集

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「へ、いやいや！」

と一人で首を振っていると周りから変な視線を感じて。
浮いた行動をとってしまったことに髪と同じくらい赤面して、とりあえずグラウンドの隅の方へ避難した。



まず、僕達が付き合ってることはほとんどのことは知らないはず。
言ってないんだから当たり前。

なのに、係の人に「好きな人です」なんて見せつけるんでしょ？



うぅ、そんなのできるわけないじゃん...


「あーっ、どうしよ」


こんなんだったら生徒会メンバーとして好きってことで、ころちゃんを連れてけばよかった...


と、足元に影が落ちているのに気がついた。


「莉犬？何してるんだ？」




そう、腹黒プリンスこと生徒会長。
可愛いを売りにしているくせに、俺の前ではカッコいい。






「ぇ、うわああぁぁっ！！」



るぅと会長なのだから。




「どうした莉犬！？」

「あ、すみません。少し驚いてしまって」

「ならいいが...とりあえず本部に急ぐぞ！」

るぅと会長に合わせるように隣に並んで、本部の方へ走り出した。
まだ借り物は借りれてないけど。


肩で息をしながら走る彼の横顔は、見慣れていていても美しかった。
風になびく髪はさらさらと揺れていて。
少し紅潮した頬。

2人だけの息づかい。




まぁ、いつまでも続く時間ではなかったけれど。


本部の所に着いて少しだけ休憩する。

「莉犬、僕が先に行っていいか？」

「あ、どうぞ」


会長が借り物を渡しているところをぼーっと見つつ。

とはいえどうしたものだろうか。
ため息をついて、蒼い快晴の空を仰いだ。

「莉犬、行かないのか？」

「ぇ、ああ。会長」

「行かないなら先に戻ってるが」


ヤバいっ、このままじゃ行っちゃう！
グラウンドに残っているのは顔も知らない生徒ばかり。
まさか、そんな人に「好きな人です」なんて言えないし。

頭の中でぐるぐる考えていると、会長の背中がどんどん小さくなっていって。




「かっ、会長！」


考えるより先に、手が会長のカーディガンを掴んでいた。


「莉犬？」

「あっと、いいから来てください！」


会長を本部に連れ戻し、会長から見えない位置でメモ用紙を見せた。




うん、素直に認めてくれたよ？








ジェルくんが。



「で、莉犬。一体何なんだ？」

「うぅ、秘密ですよ......」

なんでこんな恥ずかしいんだろ...





「まぁ、無理にでも言わせてやるけどな？」


なんて。
俺の彼氏、カッコよくないですか？




たかが体育祭、されど体育祭。

世界一【桃青】(軽く紫さん出ます)→←たかが体育祭？【黄赤】(リクありがとうございます！！)

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