∨ ページ26
神「ん‥‥おはよ」
『っ‥‥‥‥？』
保健室のベットからゆっくり起き上がるAちゃん。
神「よし、帰ろか。」
『‥‥っ、‥‥』
神「ん‥‥？」
口を苦しそうに開ける。
ぎゅうっとスカートの裾を握り締めて、
目をつぶった。
『‥‥‥‥っ‥‥ぁ‥‥‥‥』
神「！！」
小さくても聞こえた彼女の声。
俺の耳はピクッと反応する。
『‥‥‥‥ぁ‥‥あ‥‥‥‥』
神「あ」
『‥‥‥‥っ、り‥‥』
神「り」
『‥‥‥‥‥‥』
うつむいて、呼吸を整えて、
また目をぎゅっとつぶって、
口を開く。
『‥‥‥‥が、‥‥‥‥っ』
神「が」
『‥‥‥‥‥‥』
あとちょっと。
あとちょっとや。
『っ‥‥‥‥と、‥‥‥‥』
神「と」
『‥‥‥‥ぅ‥‥‥‥』
最後の一文字は消えそうなくらいにかすれてて、
でもしっかりとその口から声は出ていた。
俺は持っていた荷物を放り投げて
Aちゃんを抱き締めた。
『！』
神「やった‥‥！
Aちゃんの声、聞けたっ！
嬉しい‥‥めっちゃ、うれしい。
こっちこそありがとう。
ありがとうっ！」
耳元で照れくさそうに顔をうずめた。
彼女は、ひとつの大きい壁を越えた。
多分誰も聞いたことがなかったと思う。
その声はちょっとハスキーで、
か細くて、でもその奥に透き通った美しさがある、
何とも言えん素敵な声。
遠くに聞こえるグラウンドの部活でにぎわう声と、
夕方のぬるい空気に包まれた保健室で、
俺はずっとAちゃんを抱き締めたままでいた。
‥‥ずっと、抱き締めていたかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 352人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズWEST」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
胡 桃 抹 茶(プロフ) - 名無し13706号さん» そうでしたか、教えて頂いてありがとうございます。 (2017年5月6日 11時) (
レス) id: 80fc9983ea (このIDを非表示/違反報告)
名無し13706号(プロフ) - 胡 桃 抹 茶さん» いえ , とある小説です (*^^*) まぁ , 似たようなものはゴロゴロあるので , 偶然でしょう (´ｰ｀) コメント失礼しました !! (2017年5月6日 10時) (レス) id: 8901a57950 (このIDを非表示/違反報告)
胡 桃 抹 茶(プロフ) - 名無し13706号さん» コメントありがとうございます^ ^え！似てる？何だろ(;゜0゜)そんなつもりなかったのですが‥‥。‥‥ん？もしかして、それってドラマですか？ (2017年5月4日 19時) (レス) id: 80fc9983ea (このIDを非表示/違反報告)
名無し13706号(プロフ) - とても面白いと思います !! が , どこかとある作品に似ていて驚きました （笑） 更新ファイトです !! (2017年5月4日 16時) (レス) id: 8901a57950 (このIDを非表示/違反報告)
胡 桃 抹 茶(プロフ) - 桜花さん» コメントありがとうございます！ほんとですかっ！嬉しい限りです(ToT)はい！待ってて下さいっw頑張ります^^ 胡桃 抹茶 (2017年4月13日 23時) (レス) id: 80fc9983ea (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：胡桃 抹茶 x他1人 | 作成日時：2017年4月6日 16時
