”愛して欲しい”は嘘じゃない。 (ページ10)

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雄英生ページ10

「ふーん、探します、ねぇ・・・・」

私の答えが気に入らないのかそんなことをつぶやきながら私に視線をやってくる死柄木さん。

「まあいい。本題はそんなことじゃない」

「本題、ですか・・？」

出会って数分の私にそんな言うことある？

「お前、雄英の1-Aつったよな？それならお前とは初めましてじゃないはずなんだよ」

体がすっと冷えていく気がした。

そうだ、忘れてた。

”USJ襲撃事件”

入学して一ヶ月後に起こった、世間を揺るがした衝撃的な事件。

その犯人こそ死柄木さんと黒霧さんの2人。

「俺は1-Aを襲撃してる。お前も知ってるよな？」

「・・・はい」

かさかさに乾いた口の中で絞り落とすように声を出した。

「でも俺はお前に会った記憶がない。人数としてもあのとき全員出席していた」

「お前、本当に雄英高校の1年A組なのか？」

冷たく鋭い、刺すような視線。

「・・・・個性に関わることなので言えません」

「お前が1-Aの生徒だって証拠がない。ここにいるのに問題は無いが今後の活動に関わる」

ご尤も。

「おいリーダー、お前さっき・・・」

「入れるのは確定してる。雄英の生徒だってのも多分本当だ」

「じゃあどういうことだ！説明してくれ！なるほどな！」

鋭く刺さるような視線を感じながら、迷子になりかけた表情を探した。