”愛して欲しい”は嘘じゃない。 (ページ24)

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きもちページ24

眼の前にはどうみても立派なお屋敷。

その門を死柄木さんは全く躊躇いもせずに両手で触れる。

「いくぞ」

「はい」

舞い上がった砂煙と破片をなんとか避けながら建物の中に入る。

「その、ここは・・？」

「どっかの思想団体」

「・・なるほど」

「説明雑すぎだろ死柄木」

どこからともなくやってきたヤモリの人＿＿スピナーさんが簡単に説明してくれた。

「一言でいえば強者が弱者を支配してこそ正しき世界になるっていう思想だ」

「・・っ」

支配。

強者が、弱者を、支配する世界。

もし、もしそんな世界が本当にやってきてしまったら私は

どっちの立場になるんだろう。

＿＿＿出ていって！顔を見せないで！

＿＿言うことを聞け！俺は親だぞ！

私はいつだって宙ぶらりん。

弱者にも強者にも属することができない。

ただの妄想なのに、世界は暗転したかのように黒と紅色だけが視界に映る。

「結子」

その声に顔を上げれば、緋色の瞳と視線が絡む。

私の血だらけの紅色のなかで

あなたの瞳だけが、綺麗に映った。

＿＿＿＿＿＿＿＿＿
更新サボりすぎてごめんなさい。順位ついてて嬉しすぎます・・
のんびり亀更新ですが幸せにしますのでお付き合いいただければ幸いです。