”愛して欲しい”は嘘じゃない。 (ページ11)

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「トゥワイス、雄英だってヒーロー科だけじゃない。普通科や他の科も存在してる。

こいつが雄英生なのとヒーロー科なのはまた別の話だってことだ。

＿＿そういうことだよな？」

「・・そうですね」

「弔くんコワイ顔してるから結子ちゃんが緊張しているのです！」

むすくれた表情で言うのは耳の上くらいで金髪をお団子にした可愛い女の子。

「・・・私は、普通科から特別編入して一ヶ月前に1-Aに入りました。だから嘘じゃないです」

「へー？じゃあお前、轟焦凍知ってるか？」

継ぎ接ぎの人＿荼毘さんが興味津々な様子で聞いてきた。

轟くんって確かイケメンって評判で、エンデヴァーさんの息子さん。

その割にはあんまり炎を使わない印象がある。

「まぁ、顔くらいは」

知っているとはいえそう大して話をしたことはないし、あっちもあまり興味がなさそうだった。

「普通科から途中編入？」

「はい」

「担任は？」

「相澤消太先生です」

「担任の個性は？ヒーロー名は？」

「イレイザーヘッドとかだったと思います。個性は抹消、捕縛布を使用する戦闘スタイルです」

唐突に始まった尋問。

「じゃあお前、緑谷出久知ってるよな？」

瞳の奥をギラギラとさせながら死柄木さんは尋ねてくる。

「はい」

緑色のそばかすの子。

地味で目立つ感じではないけど、超パワーで結構強い感じがした。

少し弱気なところがあるのが気に入らないけど。

「じゃあ行くぞ」

「はい？」

「あ？お前ここに飯の材料あると思ってんの？」

いや藪から棒に何の話。

「お前飯係だっつったよな？いつもならあと二人いるから覚えとけよ」

「はい」

分からない。

この人が何を思っているのかも、どんな人なのかも、
この人のことは、何もかもわからない。

何が写っているかわからない瞳をバレないように少しだけ見つめながら、淡々と歩く背中を追った。