ハロー、マイヒーロー 2 (ページ8)

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数日後、Aちゃんと合流して、10人のリハーサルが始まった。
振り付けが頭に入らない俺。
休憩時間もふっかさんや照くんに教えてもらっていると、ふと視界の片隅に佐久間くんとAちゃんの姿を捉えた。

「え、え！？待って、」

「にゃははは！！A忘れ過ぎ～、もう1回！」

「えー！？」

休憩に入りたい佐久間くんに必死でしがみついて、「あと4回！」「長いわ！！」って会話。
なんか、必死だけれど...余裕、っていうか。
とにかく、俺とは違うなぁって無意識に思った。

自動販売機のボタンを押したところで、背中に思いっきり衝撃。

「うわっ、...イデッ、」

「わ、えぇ！？ごめん康二！そんなつもりじゃなかった！！！」

自販機におでこをぶつけて、ぼーっと考えていた頭がちょっと冴えた。
背中に乗ってきたAちゃんの笑顔に、ちょっとだけ泣きそうになった。

「康二と話すの、久しぶりでしょ？なーんか、詰まってるように見えたけど」

「、Aちゃん」

「はあい？」

「...なんで、俺らを受け入れたん？」

ちょっとびっくりした顔をして、そして思いっきり抱きしめてくれた。
あー、やばい。泣きそう。
俺よりも小さいその身長で、頭まで抱え込まれて。泣いてもいいよ、なんて誘われているみたい。

「Aちゃん、俺よりずーっと大人やなぁ、」

「...大人なんかじゃないんだよ」

「へ、」

「私ずるい人間なの。3人が加わってくれればもっと上に行けるんだって思っただけ」

「、」

「3人が、どんなプレッシャーに耐えて、どんな決意をして。そんな事考えずに、SnowManの為だけに決めたの。」

「うん...」

「ずるいけど、間違いだと思わないよ。だって、ちゃんと進んでる」

やっぱりAちゃんは大人だ。

ふっかさんや照くん、他のみんなも、Aちゃんが泣き虫で弱虫だって言ってた。
そんなところが守りたいと思わせるって。
きっと、俺にはそういうところを見せてくれないんだろう。

でも、俺は俺なりに。
Aちゃんがせっかく決めてくれたその期待に、答えたい。

「Aちゃん、」

「康二、振り練習付き合ってよ」

「うん、」

「佐久間ばっかり付き合わせるのもさぁ。これからは康二と練習しーようっと」

ひとり、誓った約束。