ハロー、マイヒーロー 2 (ページ28)

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●Kiwi「手遅れだよ」の続きです

「...ごめん、なさい」

「ちょ、」

「えぇ！？」

ガツン！！と、痛々しい音とともにAの下げた頭が机にぶつかった。
あの気まずい沈黙は何だったのか、いきなりの事に俺を除いたSnowManの面々は目が点だ。

ーもう1度、ちゃんと、みんなと話そう。

Aがジャニーズを辞めると言って1週間。
全員が休みを返上して事務所へ来て、わざわざ会議室を取って、こうやって集まった。

正直、どう転ぶか分からない。
今日が、これからを決める日だと思っている。

「...で、どうすんの」

「...私、は」

誰とも目を合わせずに、気まずそうに口を開いたAは、残酷なくらいにはっきりと言った。

「...このまま、は、つらい」

「...」

「分かってるの。みんなの優しさ、すごく助かってる。みんなといれば、いつだって楽しいし、充実してる。...でも、1人になると、途端にダメになる」

「A、」

「自信ないし、出来ないし、...疲れた」

「...」

「...でも、私が辞めたら、みんなも辞めちゃうの？」

ー名前が辞めるなら、俺たちも辞めるよ。

この言葉が、Aと俺たちを繋ぐ最後のカギだと言うのなら。

「...そ、」

「おまえさ、」

そうだよ、って言おうとして、止められた。
イライラが完全に出てしまっている照は、まっすぐにAを見つめていた。

「...超つまんない奴になったんだな、」

「、は？」

「照、」

「おまえが辛いとか、疲れたとか、...自分だけじゃねーの、分かってんだろ？」

ごくり、と誰かが息を呑んだ。

全員が抱えていた。
もう、デビューできないかもしれない。
今が辞めどきなんじゃないか。