ハロー、マイヒーロー 2 (ページ3)

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【Kiwi】漆黒の激情ページ3

きっかけは、些細なことだったと思う。

最近フリ覚えが悪いとか、仕事が入ってこないとか、食欲が湧かないとか、眠れないとか、色々。
翔太に言われた「最近肌荒れヤバくね？」も、いつもは流すのにこういう時にグサって突き刺さる。

「マジうるさい。ほっといて、」

「おー怖、」

言った後に後悔するんだ。

小さく呟いたごめんが聞こえていて欲しいし、聞こえていないで欲しい。意味のわからない矛盾に、またモヤモヤしてイライラして。

全部、私が悪いことくらい分かっていた。
普通におかしいもん。
私、なんでジャニーズなの？
手元のファンレターがグシャリと歪む。涙が止まらない。

"いらない"

たった4文字、大きく書かれたその言葉。
そんなの、ずっと前から知ってるよ。

「A、どした？」

「もう...見ないって約束したでしょ」

「混ざってた、」

「良いんだよ、気にしなくて」

「...さい、」

「A？」

いつも、スタッフさんに確認してもらってゼロのはずのこういうファンレター。

久々に見て、何かが切れた気がした。

「っ、うるさい！！！気にしない訳ないじゃん！！！」

気づけば、大声で叫んでいた。

「...SnowManは、デビューを諦めたグループ」

「、は？」

「スタッフさん達が言ってるんだって」

「A、何言って、」

「これまでデビューした先輩達の中に女はいない。私がいるこのグループは、前例がない事をしようとしてるんだよ」

「おい、A」

「ちょっと、落ち着いてって」

「ごめん、私がいる限りSnowManはデビューできないんだよ」

「ふざけんなよ、A！！」

「A、」

「...私、ジャニーズ辞める！！」

「A！！」