ハロー、マイヒーロー 2

眠れ独占欲 ページ18

「おーい、A？」

「...なに」

「そんなに拗ねんなって」

「...」


ええ、拗ねてますよ。拗ねてますとも。

きっかけは、年始のテレビだ。

めめが出演した、大先輩木村拓哉さんのスペシャルドラマ。
出演すると分かった時はメンバー全員で喜んだし、撮影中も何度も連絡を取った。
やっぱりめめは無敵だなぁ、カッコいいだけじゃなくて歌もダンスも、演技も頑張れる凄い子なんだなぁ、なんてデレデレしていたくらい。


「おまえはあからさま過ぎんの」

「...」

「ISLANDTV、見せつけるみたいに目黒以外と撮ったり」

「...だから照撮ってくれなかったの」

「可哀想じゃん、目黒」


だって、だって。

一夜でちょっとだけ仲良くしているところとか、モヤモヤしたし。
二夜で、あんな、あんな事になってるとか、聞いてないし。
卒業式で、めめ...杣くんを温かい目で見守る、素敵な女優さん。

あんなの、ズルい。


「おーおー、凹んでる」

「翔太煽んなってー」

「...」

「あんなに盛り上がってたグループLINEで1人だけ反応しないし。マジウケる」

「...」


翔太も、照も、女じゃないから分からないんだ。
だって私、目黒担だし。
自分の推しが、ちょっと大人びていて遠い存在に感じちゃって、それから...追い討ちをかけるみたいに、パパ、とか、...結婚、とか。


「...さくまぁ、」

「なになに、うわっ！！ははは、めずらしー」

「推しが、結婚したぁ、」

「なになにぃ、何モード？」

「完全に激重モードです」

「ふはは、激重とか」

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