Can't forget you.【ブルーロック】 (ページ7)

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「 Aちゃん、ちょっといい？」

1番最初にバスを降りた私がアンリさんに手招きをされた。私は少し重みのあるリュックを背負いながらアンリさんが手招きした陰へと向かう。

「まず、施設の中の確認してきて貰っていいかな？変わったところがないか、とか。そのあと、Aちゃんは選手たちにボディスーツ(ユニフォーム)を配るのをお願いしてもいいかな？」

「もちろんです。」

「それと、絵心さんから伝言」

私はダンボールの中からボディスーツを出しながらアンリさんの言う絵心さんからの伝言を聞いた。困ったような、焦った様子で私の表情を伺いながら話すアンリさんの口から出る言葉に私は思わず手を止めた。
何かを言おうとして、でもそれは口に出なかった。

「あのキノコ、1回土に還ればいいのに。」

「あのー··· 」

暫く考えて出た言葉はそれだった。ユニフォームという名のボディスーツを配っていた最中だったので選手の子がすごく戸惑っている。この子、あの場で一番最初に飛び出して行った子だ。
施設の中の点検をしに行ったことで國神、千切そして凛にも合わなかったのでそこは有難い。

「チームZかお前のだーいすきな幼なじみ、糸師凛のいるチーム、どちらかに入れ。見物でいい。」

まだ、凛とは会いたくない。諦める自信がついているはずなのに諦めきれない。それなら、まだ私は停滞を選ぶ。
彼のジャージには良くも悪くもチームZと書いてあった。

「潔世一くん。一緒に行こうか」

「え？」

ポカンとしている表情の潔くんの手を引く。世界一のストライカーになるのは凛だけど、何故だか彼なら凛を更に成長させてくれるような気がした。あの時1番に走り出した潔世一なら。

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