ABYSS. 【BANANAFISH】 (ページ6)

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【夢主side 】

ア⌜ ···あいにく､忘れっぽいのさ ⌟

アッシュが皮肉げに笑った｡

ゴ⌜ そうか···だが､忘れてはならんこともあるぞ､A､アッシュ｡お前達を拾ってやったのは私だ｡よく考えることだな···愛しているよ､スウィート・ハート ⌟

・

早々にゴルツィネ邸をあとにした僕達は､自分のホームグラウンドまで戻ってきた｡

街路脇に止めたバイクにもたれてスマホをチェックしているアッシュを見て､さっき買ってきたジュースを飲む｡後ろに気配を感じて振り返ろうとする｡

ショ⌜ A､アッシュ ⌟

聞き覚えのある声が聞こえ､振り向くといかにもやんちゃそうな青年､ショーターがガムを膨らませながら歩いてくるところだった｡

⌜ ショーター ⌟

ア⌜ よお､ショーター ⌟

ショーターは楽しげに訊いてくる｡

ショ⌜ 珍しいな､こんな時間に｡Aと優雅にデートか？ ⌟

⌜ ···え｡ ⌟

ア⌜ そんなんじゃねえよ｡別に｡ディノのじじいんとこにAと行ってきただけさ｡ ⌟

そう言って僕のジュースを取り､飲み干す｡

⌜ あ､あぁっ···！！俺の､ジュース··· ⌟

ショ⌜ てことは､またマービンの野郎とやりあったのか？ ⌟

肩をすくめ､ご名答という素振りを見せるアッシュ｡

ショ⌜ 気ィつけろよ､奴は執念深い｡おまけにゲイだし､ブロンドでグリーンアイと黒髪でブルーアイが好みさ｡ ⌟

うげ、と小さく呟く｡ケッ！と吐き捨てて空になったペットボトルをアッシュがゴミ箱に投げ入れた｡

⌜ オ､オレのジュース··· ⌟

そう呟く俺を無理やりバイクの後ろに乗せ､ヘルメットを被せる｡
アッシュもバイクにまたがり､ヘルメットを被った｡

⌜ おい、こら｡俺のジュースは？！？！ ⌟

ア⌜ そんなに心配ばっかしてっとハゲるぜ､ショーター｡じゃーな｡ ⌟

そう言うとあっという間に走り去る｡

ショーターは自分のモヒカンを頭で撫でた｡

ショ⌜ やっぱハゲんのかなぁ､オレ···⌟