# 0 2 1 ページ22
【 夢主side 】
ス⌜ おー、見かけによらず根性あんな、エーチャン。ますます気に入ったぜ。 ⌟
スキップが足元に転がる角材を拾う。
ス⌜ おれも、こうなったらひと暴れして··· ⌟
英⌜ そうじゃない。この塀を飛び越えるんだ。 ⌟
細い水道管を拾い上げ、塀との距離を測るように背後の壁へ歩み寄っていく。
⌜ へ? ⌟
ス⌜ はぁ? ⌟
アッシュが苦しげに壁に持たれながら言う。
ア⌜ 頭がイカれちまったんじゃないか? ⌟
地面に水道管を刺せるだけの穴を掘りながら、英二が言う。
英⌜ 日本じゃ、これより高いのを跳んでたよ。これでも棒高跳びの選手だったんだぜ。 ⌟
真剣な表情を見て、慌てて止めに入る。
ア⌜ バカな真似はよせ! ⌟
⌜ そんな水道管、折れたらそれっきりだろ?! ⌟
ス⌜ そーだよ!マットがある訳じゃねーんだぜ!? ⌟
英二が勢いよく振り向いて、強く言い返す。
英⌜ じゃあこのまま皆殺しになるのか!?どーせ死ぬんならなんだってやってやらぁ! ⌟
そう言って、再び高い塀を睨んだ。
助走をつけるために、一旦、後ろに下がる。
僕達の姿に気づいた追っ手が他の仲間に向かって叫ぶ。
男⌜ いたぞ、こっちだ! ⌟
英二はそれを気にせず、深呼吸をして目の前の塀に集中する。それから、意を決して顔をあげ、走り出した。
ここぞと言うタイミングで水道管を地面に突く。
水道管が穴の縁に引っかかった。
英⌜ 持ち堪えてくれよ! ⌟
地面を蹴った英二が、高く高く──中に舞い上がる。
空が明るい。
眩しくて一瞬、目を細めた瞳に、空高く浮かぶ英二の姿が映る。
⌜ っ──!! ⌟
鳥のように、空を飛んでいる──。
その様子に息を呑む。
ただ、茫然とそれを目に焼き付けた。
ス⌜ うわぁーっ、とんだぁ──! ⌟
スキップが声を上げた次の瞬間、向こうから大きな音と情けない悲鳴が聞こえてくる。
⌜ ああ···やっぱり。 ⌟
はぁ···と肩を落とし、振り返る。追っ手は既に僕達を囲んでいた。
48人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
真白 - 続きお待ちしております( ; ; ) (2021年8月24日 1時) (レス) id: 9d9fb50ec0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:りとた | 作成日時:2021年5月14日 23時