・ ページ2
・
「 氷の悪魔。」
「 氷?へぇ···なんとなくわかる気がする。君の性格にあってるんじゃない? 」
吉田の手が自身の首元から離れる。今度は左手に頬に手を当て、頬杖をつきながら私の話を聞く。
「 氷って言っても水も対象に入る 」
「 水も?そこは区別されているんじゃないの? 」
「 氷だって溶かせば水。水だって凍らせれば氷になるでしょ?似たようなモノ 」
意外と曖昧なんだな、と真面目そうに呟く。日誌は真面目に書かないクセにこういう話をする時は真面目になるんだなと心の中で吉田を嘲笑った。
「 代償は? 」
「 体温と··· 」
「 と? 」
吉田が首を傾げる。私は手を伸ばして吉田の額にデコピンを食らわした。ポカンとしている吉田が小さい子供見たくて少しだけ微笑む。
「 教えるわけないでしょ、おバカさん。日誌終わらせないと先に帰るからね 」
一瞬気の抜けた表情になったがすぐに瞳をギラつかせた吉田に一瞬背筋がゾクゾクする感覚に表情を強ばらせた。
「 俺、Aさんのこと好きなんだ。ホント、食っちゃいたいぐらい 」
吉田の手が私の頬に触れる。獲物を狙うような、いや、それよりも深いねっとりとした表情で私を見つめる吉田に何故か逃げ場はないと思わされた。吉田の顔が近づく。
ぎゅっと目を瞑る。こんな体験初めてだ。
私の唇に暖かいナニかが触れる。それは少し開いて私の唇を強く噛んだ。
「 先払いだよ。もちろん、拒否権はないけどね。」
目までかかった黒い髪を靡かせて少年は妖美に微笑んだ。
私の唇から赤い液体が垂れる。手の甲で拭う。
「 それは 」
「 もしかして初めてだった?彼女になってって意味なんだけど 」
「 なんで 」
「 俺の心はAさんに狂わされた。だから、俺はAさんにこれから先の人生をあげる。俺に─── 」
「 返せるものじゃない。人生なんて、意味わかってるの? 」
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーチェンソー
アルド
216人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みかん(プロフ) - めちゃくちゃ面白くて感激!更新頑張ってください!! (2022年11月20日 9時) (レス) @page11 id: 35aefc2ecc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:りとた | 作成日時:2022年10月15日 0時