- ページ4
.
今までの試合の傾向を見れば、ジャンフロでOHを抑えにくる。
祐希はまず最初に狙われるだろう。
青「今大会屈指のサーブアンドブロック...」
「会見場にはいらっしゃらなかったんですね」
声がした方を見ると、女性が近づいてきていた。
パスを見て取材の方だと分かり、記憶が蘇る。
轟「お久しぶりです」
青「どうも...」
福岡大会初日に声を掛けてきた人だ。
轟「宮乃さんの事を記者が選手に質問していましたよ」
青「......青柳です」
轟「失礼しました」
にこりと口元に微笑を浮かべる。
あぁ、嫌だ。目だけは見抜くようなままで、気味が悪い。
轟「試合が進むにつれて、青柳さんの注目度も上がっていますよ」
青「...」
轟「青柳さんは、表に立つのがお嫌いと伺いましたが、それは何故でしょうか？」
青「私が裏方だからです。表に立つのは選手や監督コーチです。それだけですよ」
轟「聞けば、中田久美監督から女子にも参加してほしいと言われて断ったとか」
微笑は変わらない。
青「何か、探ってるんですか？」
轟「断ったのは...桃選手がいるからでは？」
反射で立ち上がった。
青「常識的に考えてください。男女を掛け持ちする事が不可能だからです」
轟「常識的に考えると、そうですね。
でも、これを見ると本当にそうなのか？と思ってしまって」
紙を出されて受け取った。
青「...なにこれ」
轟「情報提供者から聞きました。
貴方の怪我は、桃選手が階段から突き落としたからだと」
青「違います！そんなん誤解や！」
轟「どうしました？熱くなっちゃって。
いつも冷静沈着な青柳さんが」
青「...っ」
指先が冷たくなっていく。
考えろ、どうやって切り抜ける──...？
「──そうです。私がいるから、姉はずっと表に出てこなかったんです」
静かな足音とともに現れたのは、
ここにいるはずのない桃だった。
青「...何で」
桃は私の手から紙を取って、
「情報提供者って、姉の同級生ですよね？」
話を振られた轟木さんは少し興奮したように一歩前に出た。
轟「それは言えません。
それよりもさっきご自分で認めましたね？
やはり桃選手が突き落として」
青「違います、私がバランスを崩したから」
「仰る通り。宮乃Aの選手生命を絶たせたのは私です」
青「桃！」
桃の腕を掴んだと同時に、
何かが床に落ちた音がした。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 532人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Wing(プロフ) - とっても面白くて大好きな作品です!何回も読んでしまいます。 (6月24日 10時) (
レス) @page25 id: 8c6a1b2baa (このIDを非表示/違反報告)
サナ(プロフ) - 一気読みしちゃいました！大っっ好きです！！！！ (2022年12月8日 23時) (レス) @page25 id: 922dba79c8 (このIDを非表示/違反報告)
水無瀬 - この作品好きすぎてリピ3回してます！続きが楽しみです！お忙しいと思いますが、続き、待っています！ (2022年5月22日 17時) (レス) @page25 id: 241a9407b0 (このIDを非表示/違反報告)
EＹ - 更新頑張ってください！まってます！ (2022年2月13日 20時) (レス) @page25 id: 35d44de055 (このIDを非表示/違反報告)
mafumafu3017(プロフ) - 更新ありがとうございます！久原くんと石川くんが可愛すぎて！ほんとありがとうございます！ (2022年1月3日 12時) (レス) @page21 id: 929ea4516c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：松野 | 作成日時：2020年6月5日 0時
