女神が鉄仮面を外さない3

#54 ページ13

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Side Sekita.


バックアタック使わないって何だよ！？

離れたアナリスト席に座るAに今すぐにでも聞きたかった。

今のところ効果的に決まってるのに...


青「関田さんに合図を出します。そこで一気にたたみかけましょう！」


まぁ、

ただ決める事だけが、Aのゲームメイクじゃないんだよな。

信じていいんだろ？





第4セット15-10、
日本の5点リード、とは言え、

ロシアにとっては一番得意なローテと決定率の高いサーバーのターン。

フェイントを落とされ、これで15-11。
実は相手の3連続得点だ。


関田「...」


信じるとは言ったものの、これは流れを変えたい...


青柳「...」


Aが頷いて、手を挙げた。


ここで決めたらこっちのもんってわけだ。

石川を見れば、奴は涼しい顔をしながら打ちたくてうずうずしてるようにも見えた。



そして、


相手のジャンプサーブを古賀さんが上げて、セットに入った。相手ブロックを確認すると、レフトとライトのブロッカーは、外に開いた。


真ん中一枚、行ける！


"後ろから石川ぁぁぁ！！"


関田「〜ｯ！！」


会場の歓声は、最早地鳴りに近い。

相手の勢いも全部飲み込んで、
会場のボルテージも最高潮に達している。


きっとAは、これを待ってた。


そして、タイムが明ければ
ここで西田のサーブ。


一本目、

強烈な弾道でロシアの選手を弾き飛ばし、

続くニ本目も、同じコースで選手同士の間へ。

コート外へとボールが飛んでいく。


"なんと！連続サービスエぇぇース！！"


関田「...まじでこっちのもんだ」


あのバックアタックのタイミングは、西田のサーブがここで回るから...？

先にテクニカルタイムアウト取って相手にプレッシャー与えた状態で西田にサーブ打たせたかった、とか...

それに...


石川とハイタッチをする西田を見た。奴は、心底嬉しそうに笑って張り切って肩を回しながらサーブポジションに戻っていく。


エースの石川が良いプレー見せれば、西田の調子も上がるからとか？


なんだか笑えてきた。


もしそれが本当なら、

そこまで考えられる余裕っぷり

本当尊敬するよ。


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