- ページ50
.
アルゼンチン戦に勝利、ブラジル戦そして今日のイラン戦は1セットも取れずに敗戦した。
試合が終わって、クールダウンをしていると
小「Aさん、あの人...」
周りを気にする様子で太志がAちゃんを呼んで、指を差す。
その目が大きく見開かれた。
青「桃...」
女性が数人、その中の1人がこちらを見ている。
何人か知ってる、おそらくVリーグ女子の選手達だ。
柳「桃って」
マサさんが太志の方に視線を向け、太志が何かアイコンタクトを送った。
他のメンバーは気づいていない。
結局、こちらを見ていた女性は、何も言わずに行ってしまった。
気になったのはAちゃんが動揺を見せたのと、あの女性が厳しい視線だった事。
そのまま終始Aちゃんは黙ったままで、マサさんと太志も彼女を気にしている様子だった。
石「あの人って、誰？」
ホテルで同部屋だった太志に尋ねる。
小「...お前見てたのか」
石「マサさんは知ってるみたいだけど」
小「それは、キャプテンだから知ってるのかも」
そう言って逃げるように太志は風呂場に行った。
桃、確かにそう言った。
きっとあの集団にいたって事はバレー選手だ。
背も高かったし。
名前を検索すると、青柳桃というNECレッドロケッツの選手だと分かった。
苗字が一緒って事は親戚？姉妹？
歳は俺と同じ。東海大附属から日大。
そのまま東海大じゃないのか？
出身地は東京、Aちゃんは関西だった気がする。
しかも今年の代表に選ばれてる...
いたっけ、覚えてねぇ。
小「詮索はよくねぇぞ」
石「うわ！」
いつの間にか長い事調べていて、太志が風呂から上がっていた。
小「デリケートな話なんだよ」
そこまで隠したがるのは、彼女の過去で1番触れづらい部分だから、か。
石「あの人の怪我と関係ある？」
太志は、明らかな反応をした。
小「詮索すんなって言ってんだろ！」
珍しく声を荒げて、ハッとする。
小「...わり」
石「分かった、もう言わない」
何で見てたかなんて、たまたま俺が彼女を目で追ってたから。そんな事は言わないけど。
石「今日はAちゃんとご飯食べてあげなよ。
少し元気ないし、色々知ってるのは太志だけなんでしょ？」
小「...そうだな」
石「俺は有志の相手でもしとくわ。
あいつややこしいし」
小「お前の遠回しの優しさが俺は本当に可愛いよ」
石「そんなんじゃねぇから」
太志は小さく笑っていた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 586人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
松野(プロフ) - s_yumeさん» うわぁ分かってくれる方いて嬉しいです！結構前なんで（笑）唐突な告白ありがとうございます！ (2020年4月13日 20時) (
レス) id: 4c9b05278b (このIDを非表示/違反報告)
s_yume - 酷いいたずらされてる！ひこさんのやつですね！？作者様好きです←唐突な告白 これからも頑張って下さい！ (2020年4月13日 17時) (レス) id: b6e7e349fb (このIDを非表示/違反報告)
松野(プロフ) - あさちゃんさん» ありがとうございます！ (2020年4月12日 15時) (レス) id: 4c9b05278b (このIDを非表示/違反報告)
あさちゃん(プロフ) - 今作もとても面白いです！楽しみにしてます！頑張ってください！ (2020年4月10日 22時) (レス) id: f598d558dd (このIDを非表示/違反報告)
松野(プロフ) - あかねさん» ありがとうございます！妄想が突っ走っちゃうので読みにくくならないようにと頑張ってます、、、笑 (2020年4月8日 17時) (レス) id: 4c9b05278b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：松野 | 作成日時：2020年3月25日 0時
