#17 ページ33
▽
Side Ishikawa.
青柳さんが、イタリアにいるらしい。
結局皆んな、マサさんでさえも何も教えてくれなかった。
何ならもう帰ってるかもしれない。
研修って言ってたし。
青柳さんの連絡先は、ただスマホに入ってるだけになっていた。
『トレンティーノが着いたぞ』
ビッククラブとの試合、気合は充分。
選手が続々とアリーナに入ってくる中、キャプテンのジャネッリの
シ『じゃあクロスは空ける？
ジェニアに入ってもらって』
『いやここは』
話し相手が、彼女だなんて。
石「ブｯ！！ゲホッ...はぁ！？」
『ユーキ、どうした？』
俺が突然むせたからチームメイトが心配し出す。
青「あ」
何も変わらない、愛想のない真顔のまま青柳さんがやってくる。
石「何でここに、は？トレンティーノ？」
青「そう、トレンティーノ」
石「嘘でしょ」
シ『あ、そうか。日本代表で』
青『そう』
シ『連絡してなかったの？』
青『あー...彼とは
なんて言うのかな...ナカガ、ワルイ、から？』
石「待って極端過ぎ」
シ『あははははは！』
青「イタリア語で何て言ったらいいですか」
ジャネッリは爆笑しながらアップに行った。
青「皆んながサプライズの方が面白いだろって」
石「面白いとかの話じゃなくないすか？
連絡してくれたら...」
青「くれたら？」
石「何でもない」
何言おうとした俺。いやいや。
試合が始まり、トレンティーノのベンチ裏にはスタッフと並んで青柳さんがいる。
試合を見つめる先には、
見たいと言っていたシエナのセッター・マルーフだ。
次第に
石『ブロックフォロー！』
サイドが捕まり出した。
ブロックに捕まらなくてもグレベンニコフがそこにいる。
鉄壁の守り。
トスが自分に上がれば、タイミングをずらす、ブロックを利用する、体と逆のコース打ちで対抗する。
16-15でテクニカルタイムアウト。
タオルで汗を拭うと、向こう側にいる青柳さんが目に入った。
選手と話して、頷く。
口元に微笑を浮かべて。
研修、なんだよな。
何かの予感が、消えない。
タイムが明けて、トスが上がった。
ブロックが2枚。
ストレート側にジャネッリ。
ミドルは俺よりも落ちるのが速い。
コート中央寄りにはグレベンニコフ。
打つなら、ここだ！
『Switch！！』
喧騒の中、聞こえた。
気付いた時には、遅かった。
インナーに打ったボールは、破裂音と共に弾かれる。
ストレートにいたはずの、ジャネッリに。
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松野(プロフ) - s_yumeさん» うわぁ分かってくれる方いて嬉しいです！結構前なんで（笑）唐突な告白ありがとうございます！ (2020年4月13日 20時) (
レス) id: 4c9b05278b (このIDを非表示/違反報告)
s_yume - 酷いいたずらされてる！ひこさんのやつですね！？作者様好きです←唐突な告白 これからも頑張って下さい！ (2020年4月13日 17時) (レス) id: b6e7e349fb (このIDを非表示/違反報告)
松野(プロフ) - あさちゃんさん» ありがとうございます！ (2020年4月12日 15時) (レス) id: 4c9b05278b (このIDを非表示/違反報告)
あさちゃん(プロフ) - 今作もとても面白いです！楽しみにしてます！頑張ってください！ (2020年4月10日 22時) (レス) id: f598d558dd (このIDを非表示/違反報告)
松野(プロフ) - あかねさん» ありがとうございます！妄想が突っ走っちゃうので読みにくくならないようにと頑張ってます、、、笑 (2020年4月8日 17時) (レス) id: 4c9b05278b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：松野 | 作成日時：2020年3月25日 0時
