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移動、移動の連続で疲れも溜まり、
合宿が始まって連日の練習でさらに疲れが溜まる。
日本と違って楽にくつろげる設備でもないし、選手達は大丈夫だろうかとも思ったけど。
そんな心配は、代表やアンダーカテゴリ代表の経験が豊富な人達には必要なかったようだ。
自分のコンディションの持っていき方なんて、
彼ら自身が一番知っている。
それに比べて、私は自己管理がまだ甘かった。
これは、貧血だ。
関「お前、寝れてないんじゃねぇの?」
青「え」
関「ブスだな。顔が悪いぞ」
青「顔色じゃなくて?」
関「顔も、顔色もだな。横になるか。
ロッカールームにベンチあっただろ」
関田さんがテキパキ手配してくれて、わたしは大人しくロッカールームで休むことに。
横になると、遠くでボールの音だけが聞こえる。
頭の中は自己嫌悪と心細さと、不安でごちゃごちゃ。
意識が遠のいていく中、何かが緩んで、涙が頬を伝う。
ふと、体が温かくなった。
この匂い...
あれ、何だっけ?
すでに目蓋は重く、睡魔に意識を奪われた。
それからどれくらい時間が経ったのか。
何かが髪に触れる感覚に、目が覚めた。
柔らかいけどしっかりとした枕がわたしの頭を支えていた。
...いや、枕とか使ってなくね?
青「あ、れ?」
藤「起きた?」
青「え?藤井さん?」
藤井さんが私を見下ろして笑った。
私が今頭を乗せているのは、藤井さんの太ももではありませんか。
青「ひ、ひざ、ま!」
藤「あ、そう。膝枕。
青ちゃんが首辛そうに唸ってたから」
青「うわ、すみません!」
藤「急に起きちゃダメだよ」
慌てて起きようとすると、押さえつけられて再び寝かされる。
青「練習は?」
藤「午前中は終わったよ。今からお昼」
青「めちゃくちゃ寝てる私」
藤「ほんと、よく寝たね」
ケラケラと藤井さんが笑う。
青「あ、そういえばこれ」
私の体に掛かっていたのは代表のジャージだった。
藤「関田のじゃないの?ここに連れて来た時に掛けたとか」
青「覚えてないです」
西「Aさん大丈夫!?って、藤井さん!!?」
高「え、なんだこの光景」
小「まぁ笑」
青「おい太志、面白がるな」
一気に人が入って来て、三者三様の反応をされる。
柳「大丈夫?飯食える?」
青「大丈夫です。あ、ジャージ...え、ない」
さっきまで掛かってたジャージがどこにも無い。
青「誰の、だったんだろ」
藤「青ちゃん立てる?」
青「あ、もう大丈夫です」
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松野(プロフ) - s_yumeさん» うわぁ分かってくれる方いて嬉しいです!結構前なんで(笑)唐突な告白ありがとうございます! (2020年4月13日 20時) (レス) id: 4c9b05278b (このIDを非表示/違反報告)
s_yume - 酷いいたずらされてる!ひこさんのやつですね!?作者様好きです←唐突な告白 これからも頑張って下さい! (2020年4月13日 17時) (レス) id: b6e7e349fb (このIDを非表示/違反報告)
松野(プロフ) - あさちゃんさん» ありがとうございます! (2020年4月12日 15時) (レス) id: 4c9b05278b (このIDを非表示/違反報告)
あさちゃん(プロフ) - 今作もとても面白いです!楽しみにしてます!頑張ってください! (2020年4月10日 22時) (レス) id: f598d558dd (このIDを非表示/違反報告)
松野(プロフ) - あかねさん» ありがとうございます!妄想が突っ走っちゃうので読みにくくならないようにと頑張ってます、、、笑 (2020年4月8日 17時) (レス) id: 4c9b05278b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:松野 | 作成日時:2020年3月25日 0時