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青「...あの、私、退出していた方がいいのでは」

監「いやその必要はないよ」


ガイチさん本当に言ってます?

鹿児島合宿はトレセンとは違って、ファンも大勢見に来るしメディアも多い。

視線がね、痛いんですよ。


「あの女誰?」
「何?マネージャー?」
「あんなコート近くにいて選手の邪魔じゃない?」
「てか普通に邪魔」


はいはいもう言われてる。


西「青柳さん!パスしよ!」

青「パスしない。空気読んで」

西「読まへんから。パスしよ」


投げられたボールを受け取ってしまった。

分かってるのか分かってないのか18歳。

西田くんは両手を広げて笑ってる。

これは、分かってて言ってる18歳だ。







練習が終わり、片付けをしていると

明らかに関係者ではなさそうな女性二人組が通路にいて


青「すみません、立ち入りはご遠慮いただけますか?」


振り返った二人が私を見た途端、顔を硬らせた。
次の瞬間には愛想の良さそうな笑顔を浮かべる。


「ちょうどよかった、スタッフの方ですよね?
さっき渡せなかったので、これ石川くんに渡してもらっていいですか?」


可愛らしい包みが前に差し出される。


青「すみません、私トレーナーで、そういうのは」

「トレーナー?」


上から下まで品定めするように見られる。

そこから態度が一変。


「信じられないんだけど」

「正直言って、邪魔だと思いました。
練習にも参加して、何のためにいるんですか?」


浴びせられる罵詈雑言。

何を言っても通じないし、立ち去ろうにも二人が行く手を阻む。

もういい、言わせとこう。
気が済むのを待とう。

そう私が諦めた瞬間。


「それ、他のトレーナーにも言えますか?」


背中に一瞬、人の体温を感じた。

見上げる程、高い所にあるその顔は、まさか現れるとは思わなかった人物で。


「僕に渡したかったんですよね?
もらいますけど」


そう手の平を差し出す、石川さんはちっとも笑っていなかった。

結局、彼女達は慌てて立ち去っていき、呆然とする私に、石川さんはため息をつく。


石「馬鹿じゃん。
何で黙ってるんすか」

青「ちょっと、イメージ崩れる寸前でしたけど?」

石「は?自分の心配しなよ。
俺は別に、マッサージしてくれる人探してただけだから」


スタスタと歩き出し、動かない私を振り返って


石「早く」


呆れたように、でもその顔は少しだけ笑っているような気がした。


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松野(プロフ) - s_yumeさん» うわぁ分かってくれる方いて嬉しいです!結構前なんで(笑)唐突な告白ありがとうございます! (2020年4月13日 20時) (レス) id: 4c9b05278b (このIDを非表示/違反報告)
s_yume - 酷いいたずらされてる!ひこさんのやつですね!?作者様好きです←唐突な告白 これからも頑張って下さい! (2020年4月13日 17時) (レス) id: b6e7e349fb (このIDを非表示/違反報告)
松野(プロフ) - あさちゃんさん» ありがとうございます! (2020年4月12日 15時) (レス) id: 4c9b05278b (このIDを非表示/違反報告)
あさちゃん(プロフ) - 今作もとても面白いです!楽しみにしてます!頑張ってください! (2020年4月10日 22時) (レス) id: f598d558dd (このIDを非表示/違反報告)
松野(プロフ) - あかねさん» ありがとうございます!妄想が突っ走っちゃうので読みにくくならないようにと頑張ってます、、、笑 (2020年4月8日 17時) (レス) id: 4c9b05278b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:松野 | 作成日時:2020年3月25日 0時

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