#58 ページ9
▽
その後第一セットは追いつかれながらも先取した。
続く二セット目は日本リードで始まり、この人のサーブだ。
花「マサさーん!!」
関「ナイッサー!!」
豪快に打たれたサーブは相手のレセプションを崩し、こちらのチャンス。トスが上がったのは祐希だった。
鋭く射抜くように決まったスパイク。
マサさんのサーブから祐希が決める展開に会場のボルテージが上がる。
この二人の活躍が一際目立った試合になった。
第二セットを奪われ、第三セットは10-14と相手のペースで進んでしまう。
一点取り返し、回ってくるマサさんのサーブ。
エンドラインでボールを貰ったマサさんと目が合う。ボールを持った状態でその人差し指が向けられた。
花「挑発された」
関「あの人も焚きつけられてるね」
ルーティンから流れるように上がるトス。
トスさえ綺麗に上げれば、後は思い通りにサーブは飛ぶ。マサさんはそう言っていた。
位置、ドライブのかかり方、高さ、このトスも完璧だと思った。
そして、挑発通り見事に決めてくれる。
雄叫びを上げて仲間と体をぶつける。そして、こちらに拳を上げた。
もう笑って拍手せざるを得ない。
叶わないわーと思わず言ってしまう。
そしてそれに焚きつけられるのが、祐希だ。
"柳田のサーブ、そしてそれに続く石川のスパイク!NEXT4のこの二人の大躍進!日本、ついに同点に追いつきました!!"
しかしその大躍進を止めるのがポーランドの高い壁。
スパイクが次々にシャットアウトされていく。
関「ブロック、厳しいな...」
花「そうですね。かなり読まれてます」
祐希へのマークが強くなってきている。
かと言って、簡単にはAパスさせてくれない攻撃。速攻も中々使えない。
セッターである関田さんならどうするか、セット間中にはトス回しについて語り合った。
日本は第三セットを落とした。
切り替えてほしいと願うも、始まった第四セットも攻撃はシャットアウトされ続ける。
花「ここに来てクレク選手のスパイクが決まり続けてる」
関「三セット目までは調子悪かったんだけどな」
ポーランドの攻撃が激しくなる。
点差が縮まらないまま、19-24で相手のマッチポイント。相手のサーブは日本のレセプションのど真ん中に落とされ、ボールは相手はチャンスで返ってしまい、そのまま速攻で決められてしまった。
同時に、龍神NIPPONの六位が確定する。
ワールドカップでの六位は二十年振りと言われているが、選手達の表情に喜びが見られることはなかった。
.
738人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:松野 | 作成日時:2019年11月16日 21時