Flowerwall-2- (ページ39)

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私は、再びイタリアへ渡った。

『A！サーブ練習に付き合って！』

花「はいはい。本当に元気ね」

実力主義な海外では、若い有望選手がどんどん頭角を表す。そう、今目の前でサーブを打つ選手も。

花「エゴヌ。

サーブトスはもっと高く安定させないと。助走も充分じゃないしフォームも悪い」

イタリアの新エースであるパオラ・エゴヌ、彼女は18歳とかなり若い。
その最高到達点は祐希にも匹敵する。
彼女の活躍でイタリアは年々成績を上げてきている。

『トス？本当に？』

花「なに？聞いといて疑ってるの？」

『スイングが悪いと思ってたから』

花「安定したトスさえ上げれば良いサーブになるから。

サーブまで良くなってこれ以上強くなられたら困るから本当は教えたくないのに」

『日本語で言われたら分からないわよ』

花「何でもない」

『2人とも！今日のインスタ用の写真撮るよ！』

花「......ねぇ、毎度毎度そのモデルみたいなポーズとらないといけないの？」

『もはやAと皆んなの温度差もお約束ね』

花「みんなクレイジーだよ」

けどこのクレイジーさもある意味チームワークの一つで、強さの一つでもある。
11月のスーパーカップで優勝したのだから。ここはスターの集まりだ。

@_hanai0720_official
昨日はフルセットで負けてしまいましたが、チームはいつも上を向いてます。
#エゴヌ横に立たないで欲しい
#腰の高さ違うやん
#igorvolley
#novara
@yuki.ishiiいや真顔！
@saoriiiii819Aもポーズ決めてよ！

そして、こんな時期でもある。

石川祐希誕プレ届いた。ありがとう!

石川祐希試合行ってくる!

『あ、笑ってる』

花「え」

『ニヤニヤしてるわよ』

『ボーイフレンド！？』

カミラがからかい、それにエゴヌが乗っかる。
二人から逃げながら返信。

AForza!

22歳になった祐希。
一度目と二度目の渡伊とは違い、着実に頭角を表してきた。イタリアのバレーを扱うメディアでも取り上げられている。

私に至っては立場が安定してきていた。
スタメンは当たり前のようにとれている。

でもチームの攻撃の要はエゴヌだ。
この状態が続けば、世界大会で彼女と対面した時の結果は見えている。

エゴヌが私を呼ぶ。

『まだサーブ練習は終わってないわよ！』

花「...分かった」

チームの中でも戦わなければ。
慣れは負けだ。

花「でも次はスパイク練習に付き合ってもらうからね」

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