Flowerwall-2- (ページ33)

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青のユニフォームには不敗神話がある、らしい。

"花井のスパイクは...入っている！日本、勝利！"

ワールドグランプリに続いて、グラチャンバレーでブラジルからの勝利。この連勝は1987年以来の快挙だった。全員でコートで輪になって飛び上がった。

"花井はなんとこの試合22得点！両チーム合わせて最多得点です！"

新「A！」
石「よくやったー！」

理沙さんや優希さんに思い切り抱きつかれ、そのままバランスを崩して尻餅をついてしまい、声出して笑った。

それでも、世界のメダリストとの連戦は、甘くない。

"アメリカは執拗に花井をサーブで狙います。後半になるにつれて花井も厳しそうな表情です"

新「カットは私がフォローするから攻撃に専念して」

理沙さんの強い言葉に頷く。

"再度サーブは花井へ...これを新鍋が上げて花井のストレート！サイドアウトとりました！"

まだ私達には、力が足りないのかと。
最後の瞬間、脳裏に一瞬、リオの光景が浮かぶ。

"ブロックアウトー！日本、敗れる！メダル獲得ならず！"

クールダウンを一人でしていると、アメリカのジョーダン・ラーソンがやって来た。アメリカ留学の際にOBである彼女とは一緒に練習した事があった。今日の最後の一点を決めたのも彼女だ。

花「...負けたよ」

『だって、手を抜いたらAが潰しに来る事はわかってるもの』

彼女の手を借りて立ち上がり、彼女とハグをする。
涙が込み上げ、一瞬だけ肩を借りた。

『また戦いましょう』

花「次は負けない」

惜しくも、次の日の中国戦も、勝利を掴めず。
この大会は六位で終わってしまった。
そして女子が終わればすぐに男子が開幕した。

ホテルのテレビで男子のフランス戦を見ていた時、祐希の動きに違和感を感じた。

その直後に耳に入ってきた、祐希欠場のニュース。
胸を突かれたような、それを見た時は呼吸も忘れるところだった。

「石川くん、欠場か」

男子の舞台は大阪へ。

私の隣で志保がスマホに移したニュースを見て呟く。彼女が私の分までチケットを取ってくれて、二人で大阪までやって来た。

「連絡した？」

花「いや...」

掛ける言葉が見つからないままだった。
祐希からも連絡はない。

「...会いに行かないの？」

花「だって、会いに行ったところで...」

「それでも、石川祐希の隣に並べるのはAだけじゃない？」

志保を見るも、言葉が出なかった。
背中を強く叩かれる。

「考えるより行動、だよ」

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