Flowerwall-2- (ページ17)

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#66 ページ17

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Side Yuki.

変わらず、サーブへの指導が細かいAさん。
ちょっとしたことでも見逃さない。

花「今の狙い通りじゃなかったよね？どこ狙った？」

「レフトの後ろ側を。コーナー狙いました」

花「癖から見て狙いにくいと思うんだよね。フォーム修正は難しいから、サーブ位置ずらして長めに打つとかで対応しないと。もう一本、最後スナップも意識して」

元々サーブは攻めるスタイルだったこのチームも、短期間で精度が上がってきている。自らの視覚で集めた情報を元にしたアドバイスによって、選手もリアルな意見を受け取りその場で修正がしやすかった。

ゲーム形式の練習で、サーバーは俺。
相手コート中心の後ろ目を狙う。
ふかした、アウトだ。

花「ボール見てんの？今のかぶって打ってたけど」

俺に対しては、一段と厳しいところもある。
反対に彼女がサーブを打つと、結構俺を狙ってくる。

ほらまた来た。
いつも通りドライブで少し落ち気味に曲がるサーブ。

それが曲がらなかった。
ギリギリ顔面回避出来たものの、サーブを左肩に受け、バランスを崩して後ろに倒れる。
起き上がって見た彼女は涼しい顔。
見えない火花が散る。あーそう。そうですか。

関「まじで一触即発はやめろ」
石「そういうのじゃないです」
関「嘘つけ。まんまと挑発に乗ってんじゃねーか」
石「...あー！もう一本！」

その後、サーブの本数制限に達したので、彼女はコート内へ。肩を休ませるべく、セッターとして。
セッター姿を見たことがない他のメンバーは驚いていた。

花「まだ皆んなの好きなトスを把握しきれてないけど、打ちに来てください」

そう言った直後、全員攻撃バレーが始まる。
乱れたレシーブに走り込んで、レフト側からバックトスでライトへ。全カレの関田さんのトスによく似ていた。

花「ここ毎日、見てたらしたくなっちゃうでしょ」

ニヒルな笑みを浮かべる。本当にバレー馬鹿。
そして、選手を煽てるのも上手い。
味方相手関係なく、良いと思ったらすぐ言葉としてくれる。

花「いいね大竹くん！今のクイックどっちに打ってくるか分かんなかった！関田さんのトス運びもブロッカー振られちゃうし痺れる！」

花「井上さんブロック完璧！信頼感半端ないです！」

花「祐希今のコースすごい！何それどうやってんの！」

ちょっとうるさいくらいに。
それでも目を輝かせてバレーを楽しむ姿は、自然とチームのモチベーションも上げてくれていた。

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