検索窓
今日:29 hit、昨日:105 hit、合計:652,742 hit

#38 ページ39

▽続き

世界で戦う新星は一体どんな大物なのか、と思いきや。

リ「花井選手、日本のテレビのインタビューは初めてとのことで」

「そうですね。テレビは、初めてです」

国内での実績がないという彼女。
そのまま海外挑戦という異色の経歴を持っている。

リ「始めはフィジカル面でかなり苦戦されたということですが、どのようにトレーニングを続けられてきたのでしょうか」

「トレーナーと一緒に、特に上半身の筋力トレーニング中心で...」

リ「聞いたところ、バーベルで潰されそうだったとか」

「そうですね...多少上がる自信があったんですけど、予想以上に重たくて」

リ「食生活にも変化があったそうですね」

「はい。今まであまり飲んでなかったプロテインやサプリメントも摂取して...栄養に関しての知識も少ないのでトレーナーに相談してなるべく自炊をするように...」

リ「オランダの食は合いましたか?」

「合わないわけではないんですけど、最初に家族にお米とか調味料とか送ってもらって、作るのは日本とあまり変わらない感じですね」

一月には、セッターとしてコートに立った花井。
その時の心境はー

「正直、不安でしかなくて。経験もなかったですし。チーム内のストレスが高まってしまった時期でした。乗り越えれたのはチームメイトのおかげです。それにセッターの視点を養うことによって、視野が広がってコートがよく見えるようになりました」

ややあどけなさの残る表情。
国内実績なしという経歴と、容姿端麗な姿から、ネットではバレーボールファンにこう呼ばれる。

リ「無冠の花、と」

「......複雑、ですね。認知してもらってるからなんでしょうけど。自分としては、無冠返上したいです」

リ「それは今年のワールドカップや、来年のリオオリンピックへの意気込みでしょうか」

「はい、世界一とりたいと思ってます...あ、すみません、まずはメンバーに選ばれます」

リ「全日本のメンバーからもかなり期待されてますね」

その言葉に、目に涙を浮かべるー

「......感謝しかないです。本当に環境に恵まれてここまで連れてきてもらったので。自分を拾っててくださった方々のおかげです」

取材後、我々にプレゼントをくれた。

「オランダもチョコレートが美味しいんです。遅めのバレンタインデーです。来てくださってありがとうございました」

その笑顔が、世界の舞台で咲く日を、我々は心待ちするしかないようだ。


.

#39→←#37



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (168 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
750人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

この作品にコメントを書くにはログインが必要です   ログイン

夏実(プロフ) - 実在する人物を題材としているのでオリジナルフラグを外しましょう (2019年11月10日 4時) (レス) id: caffb068cf (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:松野 | 作成日時:2019年11月10日 2時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。