Flowerwall (ページ4)

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あれから数ヶ月。
改めて日本での生活をスタートした私の元に一報が入った。
送り主は日本バレーボール連盟。

「何だろ、これ」

内容を確認し、

「えぇっ！」

驚愕した私はすぐに思いついた人物に連絡した。

「あの！なんか！勘違いかもしれんけどさ！日本代表の合宿に呼ばれてるんですけど！」

「Aさん、落ち着きましょう」

噂には聞いていたけど、私が呼ばれたのは、オリンピック有望の選手が集う【project CORE】

「え、そっち来た？来たよね？来とらんわけがないよね？」

「落ち着いてぇ」

真っ先に連絡したのは、二つ下ですでに日本代表として経験を積んでいる古賀紗理那。
高校時代何度も試合で顔を合わせる内に連絡を取り合うようになった仲だ。

「いやーなんでー」

古「合宿もうすぐ始まるけん、必要なもの揃えとってね」

「え、何でそんな普通なの！？」

古「Aさんよく考えて？全米チャンピオンになった大学にバレー留学した人なんてAさんだけ。そりゃ選ばれてもおかしくないと思うなぁ」

「...でもたったの三ヶ月！」

古「待ってますから。じゃ、私忙しいので！」

そう言って一方的に電話を切られた。

そうだよね、あの子スターだもんね。忙しいよね。
高3だもんね。進路とかね。

いやでも、そのスターと一緒に全日本なんて。

大学の単位とか、部活にまた参加できないとか色々私にも心配事はあるわけだけど。

「断る勇気もないから来ちゃった」

古「辞退とかありえないですから！はい、こっち！」

初日、選手たちとの顔合わせは正直なに話したか覚えていない。全員全国に名を広めた選手ばかり。

あれよあれよと紗理那についてメディカルチェックや練習に回される今日。
この後は先に合宿を始めていた男子と合流らしい。

男子...龍神NIPPON...
てことは、もしや、あれ、あの人が...？

「次、サーブ練習で」

監督の指示で次々とメニューをこなしていくわけだけど、今から始まるのは私が一番得意としているサーブだ。

アピールタイムだ。

サーブは、バレーボールで唯一自分一人で得点できる攻撃。誰にも邪魔されない完璧に得点を奪える武器。

各々がお互いに打つ中、場所を開けてもらい、エンドラインからいつもの歩数分下がる。

ボールを回転させて、左手で高くトスを上げた。

踏み込んで空中にめいいっぱい飛び上がり、体に大きく捻りを加えてボールのど真ん中を捉えた。

打った瞬間に感じる。
これは最高の一球だと。

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