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練習を終え、シャワーと着替えを済ませた私を待っていたのはチームメイトのエマだった。

『もうすぐ日本に帰るんでしょ?引越しの準備は進んでる?』

「問題ないよ」

『この後食べて帰ろうよ、いつものとこで』

「いーよー」

短期留学ももうすぐ終了。
帰国が迫っていた。

『そういえばオリバーとの話はどうなったの?』

「その話?何にもないからアイツとは」

留学先の男子からアプローチされていて...
忘れていたけど、今思い出しちゃった。

『そうよね、私もこれ以上Aに関わらないように言ってたから』

「第一、私は色恋するためにアメリカまで来たわけじゃないからね」

『出た出たサムライ』

「皆んなすぐそれ言う!日本人にはすぐサムライって言えばいいと思ってるよね!」

他愛もない話をしながら行きつけのレストランに着いた。私が先にドアを開けて中に入ると

"ーーパァン!!"

「ーーっ!!」

突然の破裂音に思わず身を縮ませた。

「あれ...クラッカー...?」

『A!!』

聞き覚えのある声に改めて店内を見ると、そこにはチームメイトたちが揃っていた。

『Aが日本に帰る前に全員で見送ろうって考えたのよ!』

エマが背中を押す。

「えー、なにこれぇー」

『A、あなたがどこにいても私たちはずっと仲間よ!いつでも帰ってきてね!待ってるから!』

「ジェシーぃぃぃ」

最初に打ち解けたジェシーが花束をくれた。
彼女とは一番思い入れが強い。
何しろ、私をこのチームに誘ってくれたのは彼女だったから。
彼女は以前、私が通う大学に短期留学に来ており、バレー部にも参加していた。
そこで仲良くなった折に、自分のチームに来ないかと話を繋いでくれた。

ジェシーの大学は全米チャンピオン経験のある強豪だと聞いていた。
彼女が、誰でもない私にくれたチャンス。二度とない、そう思って私はアメリカへの留学を決心した。

『やっぱり泣くと思った』

「皆んな今日は帰る準備早いなぁと思ってて、ちょっと寂しかったの...えー、なにこれぇ」

彼女たちと過ごした日々は特別だった。

日本とはまた違う、野心に溢れ体力的にも精神的にも厳しい環境。体格も技術も彼女たちに劣るのは明確な中、何が通用するのか模索する毎日だった。
一方で、右も左も分からない私をバレーも生活においてもサポートしてくれた皆んなには感謝してもしきれない。

涙が止まらない私を皆んなは笑っていたけど、
口を揃えて『また会おうね』と言ってくれた。


.

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夏実(プロフ) - 実在する人物を題材としているのでオリジナルフラグを外しましょう (2019年11月10日 4時) (レス) id: caffb068cf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:松野 | 作成日時:2019年11月10日 2時

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