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#12 ページ13



土曜日、大学は休み。練習は午前中で終わる。

ゆうき明日中央大と練習試合。今日はもうちょい練習して帰りたいからごめん。

LINEを見て少しだけため息が出た。

「A〜、この後ご飯いく?」

「んー、サーブの練習して帰りたいな。ごめん」

「相変わらずの練習バカ。ほどほどにね、また行こ」

カラーコーンを自分の狙いたい位置に設置してサーブ練習を開始。武器だと言われているジャンプサーブではなく、ジャンプフローターを。

あれから何度かトレセンでの合宿に参加した。
そこで指摘されたのが、オーバーワークと体への負担。
私は体の柔軟性を使ってサーブやスパイクを打つ。しかし、それに伴う筋力や骨格がついてきていない。肩は強い方だと思うけど、このままだといつ怪我をしてもおかしくないと。
ジャンプサーブの本数に制限をかけて、それ以外の武器を伸ばすという方向性に決まった。

以降、どうしてもという日だけこうやって自主練をしていた。

「......ふぅ」

まずまずの精度、そんなもの求められていない。
タブレットを出して、ジャンプフローターの選手たちの動画を検索する。ついでにお腹が空いた。

「確かゼリーが......」

その時、女子の黄色い声が近づいてくるのが聞こえた。

「A!大変!」

「え、どうしたの」

「門に、石川祐希が!石川祐希がいたの!」

「え...?」

石「あ、花井さんお疲れ様です」

チームメイトに連れられて石川くんが現れた。
ラフな格好で、飄々と。

「なんで?」

「石川くんとそういう関係!?」

「は?違うよ!」

「じゃあ私たち帰るからごゆっくり〜。A!今度話聞かせてよね!」

「だから違うって!」

チームメイトは勘違いしたまま帰ってしまい、二人で残されてしまった。
石川くんは少し落ち着かない様子で、練習場を見渡す。

「.....なんでここに」

石「近くに寄ったので。でも俺、花井さんの連絡先知らなかったからどうしようかなーって。そしたらバレー部の方に声かけられたので案内してもらいました」

「すごい偶然ですね」

石「自主練ですか?」

「うん。でももう帰る。集中切れた」

石「あ...ごめんなさい」

すごく申し訳なさそうな顔になったのを見て、はっとする。

「え、あ、ごめん。そういう意味じゃない、言い方悪かった......クールダウンするから少し待ってもらっていい?」

石「はい」

結局、ご飯がまだだと言うので、二人で食べに行くことにした。


.

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夏実(プロフ) - 実在する人物を題材としているのでオリジナルフラグを外しましょう (2019年11月10日 4時) (レス) id: caffb068cf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:松野 | 作成日時:2019年11月10日 2時

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