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#21 ページ22



天皇杯、関東ブロックラウンド。
掲示された対戦表が目についた。

このアリーナでは、明日男子も試合が予定されている。中央大学もそこに記載されていた。


「そう言えばこの前聞き損ねたけど」

私の後ろからチームメイトの志保が話しかけてきた。

「石川くんとはどういう関係なの?」

「何でもないって言ってるじゃん。代表合宿で一緒なだけ」

「何でもなかったらそんなに中央大学のとこ凝視しないわよ!」

...別に、深い意味はない。

「志保の勘違いでーす。花井アップ行ってきまーす」

騒がしい志保を置いて、一人会場の外へ。
イヤホンで好きなバンドの音楽を流しながらランニングを始める。試合前に聞くセットリストは落ち着いた曲が多い。頭が冴える気がする。

一通り息が上がってきたところで、ストレッチを始める。試合への意識が高まってきたのを感じているところで、音楽が着信音に変わった。

相手の名前を見てすぐに出た。

「もしもしマサさん?」

"もしもし、今大丈夫?"

「今から試合です。一人でアップ中です」

え、ごめん!と慌てた声がして笑った。

「大丈夫です。今一人で自由にさせてもらってる時間なので」

"まじごめん"

「そういえば、サンバーズ入団決まりましたね」

"うん、とりあえず"

そこから近況報告や今からどこと試合するのかの話をして、最後にマサさんは少し躊躇ったように聞いてきた。

"今聞く話じゃないかもしれないけど...今後どうするの?"

「ほんとに今する話じゃないですね」

ごめんとまたマサさんが笑いながら謝る。

「この大会の結果で決めようかなと」

"なんだよそれ"

「二択なんです、今。だからこの大会で何が足りないか見つけて判断します」

"考えが突拍子もないな"

「ははは」

"......じゃあ試合頑張って"

「はい、頑張ってきます」

電話を切り、「よし!」と気合を入れ会場へ戻る。
長いホイッスルの音が会場いっぱいに響いた。

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夏実(プロフ) - 実在する人物を題材としているのでオリジナルフラグを外しましょう (2019年11月10日 4時) (レス) id: caffb068cf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:松野 | 作成日時:2019年11月10日 2時

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