【不機嫌なモノノケ庵】もう一人の奉公人は四神使い―第二章― (ページ10)

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十七ノ怪ー路羽ー（壱）ページ10

はぁ、暇だなぁ

最近、新しく物怪庵に芦屋くんが入ってきたり、ヤヒコに会ったりで色々忙しかったからなぁ

まあ、何もないってことは平和ってことだからいいことなんだろうけど･･･

特にやりたいこととかもないからな･･･

部屋の整理でもするか

そう思い、最初に目についた本棚から片付け始める

そこには、家族全員で写ったアルバムや、卒業アルバムが並んでいた

アルバムというものは不思議なもので、手に取るとつい手を止めて見てしまう

「わぁ、懐かしい」

家族のアルバムには、今は亡き母と私、立法とアオイが写っていた

確かこの時って、まだイツキと出会う前だっけ

私は、昔の思い出に浸りながら片付けを進めていった

「あれ、これなんだろ？」

拾い上げたそれは、随分と汚れた古い本

でも、初めて見たのにどこか懐かしい気持ちにさせられるもの

小さい時に、見たことがあったのかな

本を読もうと広げてみるも、劣化しすぎて、文字は薄く、ところどころが消えている

そして、この文字は隠世のもの･･･

今度隠世に行くときに、立法に持って行ってみるか

立法なら何かわかるかもしれない

いや、行政の方がいいかも

私は、その本を離れたとこに置き、片付けを再開した

「うん！結構きれいになったんじゃない？」

私は、机、水回りとあらゆる場所を掃除していった

夕方に始めた片付けも、気づけば外は暗くなっていた

明日も学校あるし、早く寝るか

晩御飯を早急に済まし、お風呂から上がり眠りについた

マナーモードにしていたスマホに芦屋くんからの着信に気づかずに･･･