十六ノ怪ー七儘ー（肆） ページ9
ヤ「えーっと･･･禅子･･･さま」
今まで聞いたことのない口調で話し出すヤヒコ
ヤ「えーっと、この度は多大なるご迷惑をおかけして、もーしわけありませんでした。ボクの･･･わたくしの身勝手な行動･･･」
最初の謝罪から始まり、長々と反省の意を示すヤヒコ
ヤヒコがこんなこと言うわけないと思い、イツキの方を見てみると顔をしかめてヤヒコを睨んでいた
おそらく、イツキがヤヒコに言わせているのだろうとすぐに理解した
やり直しをさせられるヤヒコを見かねてか、禅子がヤヒコに声をかける
禅「ねぇ、ヤヒコ。謝るのはいいから、お願いを一つ聞いてくれない？」
禅子のお願いと言うのは"ヤヒコが一ヶ月間、お寺のお手伝いをすること"だった
それを聞いて、芦屋くんは焦った様に言う
芦「ちょっと待って禅子！ヤヒコを寺におくつもりなの！？」
ダメ？と言う禅子に芦屋くんが戸惑う
芦屋くんはチラッとイツキに目配せする
イツキは考える様子を見せることもなくヤヒコに問い掛ける
安「ヤヒコ。8年前にも言ったが、
ぴくりとヤヒコが反応する
安「どうする？隠世へ祓うか？」
ヤヒコが口を開いた
ヤ「ボクにいなくなって欲しい？キミを疑って試すようなことしたボクはもう遊びたくなくなった？」
首を傾げて聞くヤヒコの目の中には寂しさと悲しさが混ざっているように見えた
それに対してイツキは首を傾げ、顔に笑みを浮かべながら言った
安「なってない」
ヤ「ナツキは？」
私に聞いてくるヤヒコに、私も微笑みながら言う
「なってないよ。むしろ遊びたいくらい」
私たちの答えを聞くと、ヤヒコは満足したように"よかった"と微笑んだ
ヤ「じゃあ、隠世行かないで1年間お寺の手伝いするー！」
気を良くしたヤヒコは自ら期間を伸ばしお手伝いすることを約束した
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作者名：まるすけ。 | 作成日時：2020年2月18日 19時
