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二十三ノ怪ー紫陽ー(壱) ページ33

-神山 side-




煙が晴れ、モジャくんが元の大きさに戻った




芦「モジャアアアア!よかったああ、初期化したあああ!」




そんな2人を見ると笑顔が溢れる




安「A、体は大丈夫か?」




「うん、なんともないよ」




安「なかなか起きないから心配した」




「どれぐらい寝てた?」




安「30分ぐらいだな。俺と芦屋はすぐに起きたんだが」




「何か、夢を見てた気がするんだけど忘れちゃった」




安「そうか。念のため、後で雪菜に見てもらえよ」




「うん、わかった」




カランコロン




パキッ




どこからか下駄の音がし、何かが折れる音がする




音のなる方へ目を向けると、そこにはゆらゆらと禅子父が現れた




禅「お父さん」




禅父「おい、小僧ども・・・。今、何時だと思ってんだ?」




あたりを見回せば真っ暗になっていた




ノボウさんのことに夢中で気にしてなかったな




禅父「しかも、こんな暗がりで・・・。人気もないところでコソコソ・・・女の子2人連れ回して何してたんだぁ・・・」




おぉ、禅子だけじゃなくて私のことも心配してくれるんだ




芦「めっちゃ怒ってますよ!なんて説明します!?」




安「あ゛?」




禅「かくれんぼ?」




「かくれんぼで許してくれるかなぁ」




こそこそ話していると、禅子父がふらりと地面に膝をついた




禅子父は腰に手を当てている




芦屋くんはモジャくんをイツキに預けて、すぐさま禅子父に駆け寄る




芦「どうしました!?110番通報しますか!?」




110番通報なんだ・・・119番かと思ってた




禅父「するな!ただのぎっくり腰だ!」




芦「なんだ・・・ただのぎっくり腰か・・・」




イツキが禅子父の後ろの方を見たので、私も同じように見る




「あ」




禅子父の背中には元の大きさに戻ったヤヒコが乗っていた




腰痛の原因はこれか・・・




安「おいこら、(そこ)そこから離れろ、ヤヒコォ・・・」




ヤ「あーあ、見つかっちゃった」




禅子父の背中から顔を出すヤヒコ




ヤ「晴斎!A!僕元に戻ったし、化けられるようにもなったからさぁ!今から一緒に遊ぼうよ!」




芦「あ・・・ヤヒコも巨大化してたんだったね。忘れてた」




ヤ「はああ!?芦屋!ムカつく!」




芦屋くんは禅子父がいるのを忘れているのか、ヤヒコと口喧嘩をしている




禅父「小僧・・・お前、誰と喋ってるんだ?」

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作者名:まるすけ。 | 作成日時:2020年2月18日 19時

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